若手職員の力で

地域の未来づくりに挑む!

滋賀県 大津市、近江大橋西側の膳所地域は、日本三大湖城「膳所城」や、伝統工芸品「膳所焼」、五つの神社の一斉に担いでまちを練り歩く「五社まつり」など、たくさんの地域資源を持つまちです。

そんな膳所地域で1973年より営業する京都信用金庫・膳所支店は、2022年11月に全く新しいコンセプトでリニューアルオープンしました!

キーワードは「まちづくり」。
従来の金融機関のイメージを覆す「新・膳所支店」の魅力をお伝えします。

膳所地域の課題

たくさんの魅力的な地域資源を持つ膳所地域ですが、一方で課題もありました。
京都・大阪へのアクセスの良さからベッドタウンとして栄えてきたこの地域も、近年は他地域の例に洩れず少子高齢化が進み、地元商店街の店舗数はピーク時の100店舗から30店舗ほどまで減少。シャッターを下ろしたままの店舗も目立つようになっていました。

しかし、決して暗い話題ばかりではありません。
リモートワークの普及によって地方移住の魅力が見直されるなか、今後マンションの新築や建て替えが進むことなどの要因により、中長期的には域外からの人口流入が期待できます。

そして何より、膳所地域には「まちづくり」を真剣に考える多くの人たちがいました。商店街が一丸となってまちの活性化に取り組んだり、銭湯などの昔ながらの場所で活動する若者がいたり、学校の先生によるコミュニティスクールが開催されていたりと、膳所地域の未来を担う人たちが多く活躍していたのです。

「まちづくり」に特化した店舗へリニューアル

そんな地域の方々とともに「まちづくり」に取り組むという、全く新しいコンセプトで、膳所支店はリニューアルオープンしました。

リニューアルオープンした膳所支店

新しい膳所支店は、地域の皆さまをつなぐ「ハブ」として、みんなが一緒になってまちの未来について考える場。
店舗の職員も、「短期的に」ではなく、「中長期的」にまちづくりに取り組めるよう、支店長を含む全員を30代以下の若手職員としました。彼ら・彼女らの中には、自ら膳所支店勤務を希望した、熱意ある職員が多くいます。

そして、1日の半分以上を「まちづくり」の取組に充てるため、周辺地域の皆さまのご理解もいただき、窓口営業時間を午前9時から正午12時までとしました。12時以降はご来店が困難なお客さまのもとに伺うなど、一人でも多くのお客さまとの接触機会を確保しつつ、地域の社会課題に真剣に向き合う時間としています。

新・膳所支店の第一期メンバー

商品や内装でもコンセプトを表現!

膳所支店のリニューアルオープンにあたっては、そのコンセプトを表現する三つの地域限定融資商品をリリースしました。一つ目に、膳所地域に新たな住居を構える方に向けた「住宅ローン膳所」。二つ目に、膳所地域の活性化に役立つ事業をサポートする「膳所まちづくり融資」。そして三つ目に、膳所地域で新たな事業を始める方に向けた「ここから、はじまる膳所」です。

そして店内には、アフリカ・トーゴの伝統的な「布」を輸入し、新たな価値をつけて販売することで、現地の課題解決に挑む企業、株式会社 AFURIKA DOGSと、日本の伝統工芸である「京表具」を手掛ける小野澤光紀氏がコラボレーションした内装を用い、膳所支店の社会課題解決への取組姿勢を表現しました。

膳所支店の取組にメディアも注目!

新・膳所支店は開店当初から様々なまちづくりの取組を行っています。地域の方々とまちの活性化について話し合う場を設けたり、店舗のロビーをセミナースペースやコンサートホールとして開放したり、地域企業が店舗の敷地内で商品を販売する「ポップアップストア」を開催したりと、「まちづくり」に特化した店舗ならではの取組が次々と生まれていきました。

ロビーコンサート
ポップアップストア

このような取組は各種メディアにもご注目いただき、滋賀県出身の有名タレントの冠番組でご紹介いただいたり、NHKの報道番組でご紹介いただいたりと、少しずつではありますが、認知が広まっています。

当金庫は膳所支店をはじめ、全店舗でこのようなまちづくり・地域活性化に取り組み、ゆたかなコミュニティの創出を目指します。

      


   

京都信用金庫 膳所支店 支店長
小寺 慎吾

膳所支店の新しいコンセプトのもとで働くメンバーは、膳所に思い入れのある職員ばかりです。私自身、生まれも育ちも膳所で、子どもの頃からまちの方々と一緒でした。この地域に対する思いは、誰にも負けません!
リニューアル前から楽しみにされているお客さまも多く、「こんなことをやってみたい」というお話もたくさん出ています。大きく派手に何かを変えるというよりは、地域の方にご納得いただけるやり方で、そして地域外の方とも手を取り合って、まちづくりに取り組んでいきたいと思います。
そうして色々な方と一緒に取り組むことで、予定調和ではなく、偶発的に予想できないことが起こることに、ワクワクしています。
目に見えた成果が出るまでには数年、数十年という長い時間がかかると思いますが、地域への思い入れを原動力に活動していきます!

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