信用金庫の職員が

山椒の苗を植える!?

このプロジェクトは、当金庫の北伏見支店・六地蔵支店の職員が連携し、京都を全国的な生産量不足が課題となっている「ぶどう山椒」の産地にしようと奔走したエピソードです。

京都市の伏見区に本社を置く甘利香辛食品 株式会社さまは、1932年創立の老舗香辛料メーカーです。カレーパウダー、胡椒やミックススパイス、そして山椒などを製造・加工し、主に業務用として販売されています。

また、京都産の素材にこだわり、創業90年あまりの経験を活かして調合される七味唐辛子など、家庭用商品も展開されており、ネットショップ等で人気を博しています。

甘利香辛食品さまの七味唐辛子
甘利香辛食品さまの製造される七味唐辛子
素材からこだわった商品には根強いファンが多い

「食卓から山椒がなくなるかもしれない」

甘利香辛食品さまをたびたび訪問していた北伏見支店の大谷は、ある日、社長の甘利さまからこんな言葉を聞くこととなります。

国内の収穫量の約6割を和歌山県が占める「山椒」。
実は、県内トップの収穫量を誇る有田川町の過疎化生産者の高齢化、さらには自然災害による倒木の影響もあり、生産量が激減、山椒価格は高騰の一途を辿っているというのです。

そんなお悩みを伺った北伏見支店の大谷が、「甘利社長のために、そして山椒の未来のために、何かできることはないか」と動き出すところから、今回のエピソードは始まります。

甘利香辛食品の甘利社長

金庫ネットワークで課題解決を目指す

大谷はまず、京都信用金庫の社内ネットワークである「ビジネスマッチング掲示板」で、ともに課題解決に取り組める協力者を募ることにしました。

すると、すぐさま六地蔵支店の永井がこれに反応。

支店のほど近く、自然豊かな山間地である宇治市の炭山という地域ならば「山椒が自生しているのでは」と考えた永井は、同地域でMt.SUMI(マウントスミ)というアウトドアショップを営み、地域活性化への活動にも力を注がれている清水さまに相談してみることにしました。

結果、永井の勘は見事に的中。山椒が自生しているという情報をいただくとともに、「炭山で山椒を生産できれば地域の活性化につながる」と興味を持っていただき、後日、甘利社長と清水社長をお引き合わせすることになったのでした。

Mt.SUMIの清水社長
幅広いキャンプ・アウトドア用品を展開

ついに産地化プロジェクトがスタート!

面談当日、炭山で山椒を生産できないかというアイデアを耳にされた甘利香辛食品・甘利社長は、大変驚き、喜ばれました。

実は長年「京都を山椒の産地にできないか」と考えておられたものの、その想いを語り合える人と出会えるとは夢にも思っておられなかったのです。

そのようなこともあり甘利社長と清水社長はすぐに意気投合され、ついに「ぶどう山椒京都産地化プロジェクト」がスタート。

六地蔵支店・永井の働きかけにより、清水社長のボランティア仲間である掛川さまが保有される休耕地を山椒の生産地としてご提供いただけることも決定し、プロジェクトは少しずつ現実味を帯びていったのでした。

休耕地を提供された掛川さま

深刻な課題を知る

土地は確保できたものの、プロジェクトメンバーに山椒の栽培についての知識がないことに課題を感じていた永井。


次の一手として、山椒の生産方法について学ぶため、清水さま、掛川さまとともに、生産地である和歌山県 有田川町を訪問することにしました。

現地で現役の生産者からヒアリングを行うことに成功した一行は、そこである課題を知ることとなります。それは、ぶどう山椒の「苗」の不足
一大産地である有田川町ですら深刻な苗不足に悩まされており、とても京都で手に入れられる状況ではありませんでした。

山椒の一大生産地である和歌山県 有田川町

大谷の言葉が見出す活路

苗不足という深刻な課題の前に、頓挫したかと思われたプロジェクトでしたが、北伏見支店・大谷の言葉により再び動き出すこととなります。

大谷は、「ある種苗メーカーならば、もしかすると山椒の苗の在庫があるかもしれない。声を掛けてみましょう。」と、甘利社長に提案したのです。

早速甘利社長が種苗メーカーに連絡を取ったところ、なんと奇跡的に40本の苗を確保することに成功。京都の地に山椒を定植する準備が整った瞬間でした。

いよいよ定植、そして未来へ

しばらくして、いよいよ山椒の苗を定植する日が訪れます。

当日は甘利香辛食品の甘利社長、Mt.SUMIの清水社長、休耕地を提供した掛川さま、北伏見支店の大谷、六地蔵支店の永井というプロジェクトメンバー全員、そして関係者が集まり、一本一本丁寧に苗を定植していきました。

定植当日に地元新聞社も駆けつけるほどの一大プロジェクトとなった「ぶどう山椒京都産地化プロジェクト」ですが、まだまだ始まったばかり。
収穫できるまで7年といわれるぶどう山椒の成長を見守りながら、プロジェクトメンバーの挑戦はこれからも続きます。

北伏見支店の大谷
六地蔵支店の永井


お客さまの声

甘利香辛食品 株式会社
代表取締役社長 甘利 毅様さま

山椒については大谷さんとは世間話のつもりでした。
こういう話を金融機関の方に話しても…と思っていたので、ぶどう山椒の京都産地化という話を持って来られた時は驚きました。

大谷さんの決めゼリフ「これ僕やりますわ!」
このプロジェクトが進みだしたのは、大谷さんの前向きな姿勢のおかげだと思っています。

 

株式会社 Mt.SUMI
代表取締役 清水 克彦さま

私自身、畑や田んぼの経験があったので、育てて収穫するという一連の流れは面白そうだと感じました。
自然相手のことなので不安要素はありましたが、地域の方と連携すれば上手くいくと思いました。

永井さんには日頃から親身に相談に乗ってもらっているので、このプロジェクトに対する彼の熱い思いを素直に受け入れられました。

 

農家
掛川 宏さま

休耕地を何らかの形で有効活用できないかと思っていたときに、今回のお話をいただきました。

永井さんはとても熱心で、和歌山まで一緒に視察に行き、現地の方々との間を取り持ってくれました。

関わったことについては最後までやり遂げる姿勢に感心しました。


職員の声

京都信用金庫 北伏見支店
大谷 洋平

甘利社長のお悩みをお聞きし、何とかしたいと動きました。

最初にビジネスマッチング掲示板に投稿したときは、山椒の苗を植えることになるとは夢にも思っていませんでしたが、最後にはワクワクしながら定植しました。

これからも続く長~いプロジェクト、苗を植えたい方がどんどん増えていって欲しいなと思います。

 

京都信用金庫 六地蔵支店
永井 皓也

大谷さんの投稿を見て山を連想し、炭山のヌシである清水社長に投げかけました。

それが大勢の方々を巻き込み、大プロジェクトに!
地域金融機関ならではの醍醐味を味わえました。

金融機関での仕事は転勤もあり、プロジェクトメンバーも入れ替わりますが、大切なプロジェクトとして六地蔵支店で代々受け継いでいきたいと思います。

事業への伴走支援 その他の事例 PROJECTO METHOD