既存業態からの脱却
当金庫 三条支店お取引先の株式会社 福田喜さまは、間もなく創業100年を迎える歴史ある呉服製造企業です。 同社は、「福田工芸染繍研究所」として創業以来、刺繍・箔加工・染めを主軸に、三世代にわたって日本の染織工芸の伝統を守り、発展させてこられました。
その透明感のある「はんなり」とした染めの色が、伝統的な職人技の美しさを引き立て、作品をより一層輝かせています。福田喜さまの強みは、デザインから染め、柄付け、刺繍までを自社で一貫して完結できる点にあります。また先代が刺繍業界で唯一の人間国宝であるという、全国的にも極めて希少かつ、高度な技術力を有する企業です。

しかし、そんな福田喜さまも、他の企業と同様にコロナ禍の影響を大きく受けられました。呉服業界全体が低迷する中、従来の卸売業者への販路開拓だけでは根本的な解決には至りませんでした。

そこで三条支店 営業担当の安達は、同社が歩まれてきた歴史や技術力の高さから、「国内外にニーズは必ずある」と考え、同社に新しい風を吹き込むために、事業再構築補助金を活用したテキスタイル分野や小売へ進出を提案し、卸売依存からの脱却を目指すことを提案しました。
Break on through<to the other side>
卸売依存からの脱却の提案を受けた福田喜さまでしたが、長年守り続けてきた「のれん」を大切に思うからこそ、老舗ならではの迷いや長年お付き合いのあったお取引先への配慮が頭をよぎり、当初は躊躇されました。
安達は、同社代表取締役の福田 喜之さまと何度も膝を突き合わせて対話を重ねました。時には互いに意見がぶつかり合い、険悪な雰囲気になったこともあったといいます。しかし、時間が経つにつれ、福田社長のお考えに変化が芽生え、立ちはだかる壁を共に乗り越えようとする安達の熱意が、ついに福田社長の心を動かしました。

安達は会社の歴史や技術力をリブランディングし、発信していくために、プロデュース業を担う株式会社SECAIさまの協力を仰ぎ、プロジェクトミーティングを重ね、3つの施策を打ち出しました。



施策の効果は海を越えて
これらの施策は、想像をはるかに超える効果を生み出しました。ホームページや作業場改装等の効果により、在日フランス大使館や文化庁の目に留まり、両者が主催する交流事業の見学場所に福田喜さまが選ばれ、これをきっかけに交流事業に参加していたフランスのトップブランドからのオファーが舞い込みました。

ブランドとのコラボがさらなる波及効果を生み、CNNドバイ支局の取材オファーが寄せられ、福田喜さまの技術力は遠く中東にも響き渡りました。

福田喜さまが呉服製造を再定義し、より多くの人の目に届くよう発信した結果、クライアントの幅は確実に広がってきており、同社の努力がようやく実を結び始めています。

お客さまの声
株式会社 福田喜
代表取締役 福田 喜之さま

新しいことに挑戦して少しずつ会社が変わってきていることに凄くワクワクしています。最初は安達さんからの厳しいアドバイスに驚きましたが、「そこまで本気で言ってくれる人は他にいなかった」と思い、受け入れました。今後は自分たちの技術で求められるものを作り、それを売る“ものづくり屋”を目指していきます。
職員の声
コミュニティ・バンク京信
安達 雅志

福田喜さまのプロジェクトを通して、人を繋ぐことの大切さを学びました。私自身も多くの方に相談し、サポートしていただきました。いくら私が本気でも、福田社長の心が折れてしまえばプロジェクトは終了してしまいます。そうならないよう福田喜さまに寄り添い続けました。これからも金庫のリソースをフル活用し、人と人を繋ぎながら、精一杯お客さまの伴走に努めてまいります。




