Save Your Bookstore

本屋さんの生き残りをかけた挑戦!

お惣菜で本屋さんを救って、街を救う!

恩智駅前ショッピングセンターをご存じでしょうか?
八尾市にある近鉄大阪線 恩智駅の「駅前すぐ!という立地の良さ」に、「雨に濡れることのないアーケードを完備」し、“衣・食・住”がほぼ全て揃うバラエティ豊かなお店が並んでいます。

一方で、恩智駅の一日当たりの乗降客数は約4,800人。3駅離れた近鉄八尾駅の約33,000人に比べると圧倒的に少なく、利用者は減少傾向にあります。そんな恩智駅前のショッピングセンターの中には50年以上営業されている本屋さんがあります。
今回はその本屋さん「弘鈴堂」の生き残りをかけた挑戦に、八尾支店の寺尾が伴走した事例をご紹介します。

街の本屋さんが、どんどん消えていく!

「弘鈴堂(有限会社森田書店さま)」は昭和46年に創業されました。
近年、インターネットの普及に伴う読書離れ、ネット販売や電子書籍の台頭、業界の構造的問題といった理由で街の本屋さんが次々と姿を消し、書店に行きたくても行くことのできない『書店難民』が各地で発生しています。

本屋さんの後継者が立ち上がる

現在の代表者の森田さまはご高齢となられましたが、幸いにも同社には「状況を打破し、本屋を残したい!」と考える後継者でもある、娘の久米さまがいらっしゃいました。
久米さまには現状を変える考えがありました。それは、書店の一角を厨房に改装し、得意な料理を生かして毎日食べたいと思うような惣菜を製造販売するというアイデア。住宅が多い土地柄に合わせて惣菜の製造販売をすることで、新たなお客さまへのアプローチができるのではないかと考えたのです。

そして、相談のために訪れた商工会議所で、事業再構築補助金の存在を知ります。
久米さまは、事業計画書策定について「弘鈴堂」の担当税理士さんに相談。その税理士さんが、当金庫を紹介してくださったのをきっかけに、八尾支店の寺尾を中心とした本屋さんを守る今回のプロジェクトが始まりました。

書店「弘鈴堂」の店舗外観
文具雑貨から駄菓子もあつかう楽しい店内

本屋さんを残すプロジェクトの開始

同社の想いを実現するためには、乗り越えなければならないハードルがありました。それは、補助金申請に必要な事業計画の作成でした。久米さまには事業の経験がないため、補助金申請や事業計画作成の経験がないところからのスタートだったのです。

補助金申請までのスケジュールはかなりタイトでしたが、寺尾は訪問を重ねる中で、久米さまの熱い思いを受け取り、何とかその思いを叶えようと、補助金申請のサポートと融資申請に着手しました。補助金申請書は面談や電話、メールなどで何度もブラッシュアップ。全員が納得のいく計画書が完成し、無事に申請することができました。

ただ寺尾には一つ気がかりなことが…。それは「補助金の採択を問わず新規事業を始めたい」という久米さまの言葉でした。再構築補助金が採択されない場合を想定し、他に何かできることはないかと模索していた際に、寺尾は八尾市が募集する補助金のことを知りました。再構築補助金より少額となるものの、計画書の土台があることから、こちらの申請も行うことにしました。

結果として「事業再構築補助金」「八尾市の補助金」の両方が採択となり、補助額の大きい再構築補助金を利用することとなりました。間もなくして店舗改装に着手し、無事に惣菜販売を開始することができました。

店内では書籍とお惣菜が並んで販売
馴染みのお客さまからのご予約も受付
バラエティ豊かに取り揃えています
満足感のあるお弁当も販売

お客さまの声

弘鈴堂 
店長 森田 久江さま(右) 
お惣菜部 久米 玲子さま(左)

補助金申請は本当に大変で、寝る間も惜しんで申請書を作成する日々が続きました。疲れ切って「一体何のためにやっているのだろう」と弱音をこぼした私に、寺尾さんは迷うことなく「明るい未来のためですよ」と声をかけてくださり、その言葉に救われました。

この先、悩みを抱えている人が気軽に立ち寄れる、誰かの居場所になるお店にしていきたいです!


職員の声

コミュニティ・バンク京信
寺尾 竜二

惣菜販売が始まってから、店長の森田さまや久米さまが本当に楽しそうに接客され、また近隣の方がお店を手伝ったり、何より地域のお客さまが嬉しそうにお惣菜を買いに来られる様子を見て、地域のコミュニティの場が増えたことを再認識しました。

今後もこのような形で、地域の絆作りに関わっていきたいと思います。

事業への伴走支援 その他の事例 PROJECTO METHOD