「from the farm京丹波 髙橋農園」は京丹波町で、料理人兼農家の店主が営む小さな農園です。農薬や化学肥料、家畜ふんを含め、肥料を一切使用せずに米や野菜を栽培し、その作物を使った加工品の製造・販売を行っています。
店主の髙橋 慎也さまは、かつて横浜の米軍基地レストランで料理人をされていました。レストランでは乳製品や肉料理中心の料理を提供されておられましたが、その食生活がご自身のアレルギーを悪化させ、入院する事態にまでなりました。退院後、髙橋さまはオーガニック料理店で無農薬野菜に出会い、安心安全な食材を選ぶようになってから体調がみるみる回復。それをきっかけに「料理に使う材料を自ら作りたい!」と農業にめざめ、日本各地の農家で農業を勉強し、自治体の空き家バンク制度の活用で見つけた農地付き古民家で農園を開始されました。
ご自身のアレルギー体質に悩まされた経験から人のからだは食べたものでできていることを痛感。料理に使う材料を自ら作りたいと思い、無農薬無肥料栽培の農家として活動することになりました。
からだに優しく美味しい商品を届けたい
髙橋さまには、自分と同じアレルギーの悩みを持つ方もそうでない方も、安心して食べることができ、満足感のある味わいを届けたいという想いがありました。そこで自分が育てた野菜と料理人経験をもとに開発したのが、卵、白砂糖、化学調味料、保存料、動物性原料を使わない自家製豆乳マヨネーズ「ソイマヨ」です。
(写真:豆乳マヨネーズ「ソイマヨ」)
しかし、髙橋農園の自社商品「ソイマヨ」は良質な商品であるにもかかわらず、その売り方に苦戦。髙橋さまはどうしたらもっと広めていけるのかという大きな悩みがありました。
QUESTIONからはじまる 京丹波での二人三脚
商品の販売など経営に関する相談相手を探していた髙橋さまは、当金庫が2021年にQUESTIONで開催した、環境問題などを意識したイベント「Ethical Week@QUESTION」に出店。
そこでの交流をきっかけに、当金庫の本業支援に魅力を感じ「京信と取引がしたい」と思っていただけたことから当金庫 園部支店の営業担当の野々口との歩みが始まりました。以来、野々口は髙橋さまへの訪問を重ね課題を聞き取り、京信の持つさまざまな本業支援ツールで事業に寄り添いました。
(写真:2021年4月の「Ethical Week@QUESTION」出店の様子)
販路拡大・認知度アップに向けてコツコツと
「ソイマヨ」の販路拡大と認知度アップに対して悩みを抱えていた髙橋さまに、野々口は、まず販売強化のための支援が必要だと考え、商談会や催事出店を活用した販路拡大の支援を行いました。
まず初めに野々口は、髙橋さまの商品の特徴である「こだわりの食材」「オーガニック」という要素がバイヤーのニーズにマッチすると考え、当金庫主催のバイヤーマッチング商談会への参加を勧めました。このような商談会がはじめてだった髙橋さまは不安を感じていましたが、野々口はこれまでの営業経験を活かして事前準備から面談日までサポートしました。
その結果、バイヤーのニーズに「ソイマヨ」がマッチし、商談は見事成約となりました。この商談が、神戸・芦屋にある高級スーパーの催事出店につながり、髙橋農園にとって過去最高の売上を記録しました。
農園からオンライン商談会へ参加
店頭で販売されている「ソイマヨ」
次に、野々口はさらなる認知度向上のためにクラウドファンディングの利用を提案。クラウドファンディングを活用することで、資金調達だけでなく髙橋農園の事業を広く知らせることができ、その想いに共感してくれる人々に出会えるはずだと考えました。
クラウドファンディングは使用写真や支援者へのリターン品の作成などの準備を経て、実施されました。しっかり時間をかけて準備した甲斐もあり、見事目標金額を達成。達成率280%を超える支援が集まりました。実施期間中にはたくさんの応援が寄せられ、クラウドファンディングを通して新たなファンの獲得にもつながりました。
クラウドファンディングでの商品紹介
京丹波の里山から海外へ
こうした新たな試みを重ねるうちに、髙橋さまはある夢を抱くようになりました。「このからだに優しく美味しいソイマヨを、オーガニック志向や健康志向の高い海外でも販売していきたい。そして、誰もが安心して食べられる商品をもっと多くの方に広めたい。」野々口はその想いに共感し、その夢は次第に二人の夢へと変わっていきました。
野々口は今後、販路開拓や資金調達など、海外進出への基盤づくりをサポートし、夢の海外販売への道のりに伴走していきます。
お客さまの声
from the farm 京丹波 髙橋農園
代表 髙橋 慎也さま
最初は、商談会やクラウドファンディングに後ろ向きでしたが、野々口さんの持ち前のおせっかいで突き動かしてくれ、やってよかったと思える結果になりました 。
以前から、ソイマヨの反応がとても良いのが欧米の方々で「これは海外でも通用する」とのお声をいただいております。ですので「私の商品を海外で販売するということができるのではないか?」と野々口さんに相談して、それも含めた今後の色々な支援をお願いしています。
大きな夢であるソイマヨの海外進出を実現するべく挑戦を続けていき、ゆくゆくはレストランの開業にも挑みたいです。
担当者の声
園部支店 野々口 裕晃
これまで培ってきた本業支援の経験が、髙橋さまへのサポートに繋がったと感じています。
髙橋さまには、まだまだ食品加工販売の拡大余地があり、社会のニーズに合う商品を生み出すことのできる事業者さまです。これからも商品、加工食品の売上を高める支援を継続していきます。
京信の本業支援を強みに、髙橋さまの夢の実現に向かってお手伝いをしていきます。