初めての自社商品開発プロジェクトに寄り添う
王子食品株式会社さまは、健康食品・サプリメントや化粧品等の製造メーカーとして1969年の創業から50年以上OEM製造のみに注力し事業を行ってきました。
転機となったのは2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で京都の観光地が閑散としていったことでした。そんな状況に対し同社の別宮さまは、「創業の地である京都のために何かしたい」という想いを持っており、そこで、京都の観光地を元気づける新しいおみやげを創ろうと、OEM製造から飛び出し、自社商品の開発に踏み切りました。
しかし、初めての自社商品開発にあたり、いくつもの課題が浮き彫りになりました。それは①何をつくるのか②販路はどうするのか③広告宣伝をどうすればいいのかなど。
同社がこれらの課題を抱えていたことを聞いた当金庫西京極支店の営業担当 齊藤は、試行錯誤を繰り返しながら、およそ2年の歳月をかけ商品開発に伴走しました。
既存事業のノウハウが新商品のヒントに…!
新商品開発に取りかかったものの、定番とされる商品が多数ある京都のおみやげ業界のハードルの高さに苦戦。そこで、別宮さまは様々な売場や観光地を回ったところ、他府県の観光地等で販売されている「葛アイス」に着想を得た「溶けないアイス」を開発することを決めました。
そこで新商品のヒントになったのは、同社の既存事業。同社の持つ健康食品やサプリメント製造のノウハウを活かし、葛粉ではなくコラーゲンとこんにゃく粉を使用。できあがった「溶けないアイス」は、美容・健康にも配慮した特色ある新商品となりました。
齊藤は、試作品ができるとすぐに小売業者の社長などをつなぎ、売れやすくするための商品やパッケージに関するアドバイスをもらえるよう動きました。アドバイスをもとに、二人三脚でひたすら商品の完成度を高めていきました。その結果2023年8月、晴れて自社商品、溶けないアイス「雪女スティック」が完成しました。
ビジネスマッチングで販路開拓
新商品は完成したものの、商品の販売ルートに明るくなかった同社に対して、齊藤は新商品・雪女スティックの販売先をご紹介するため、当金庫のビジネスマッチングを行いました。
すると、京都の人気観光地である伏見稲荷大社官有地の茶店「大薮茶亭」さまをつなぐことができ、見事商談は成約。
大薮茶亭さまにはこれまで売れ筋となる商品がなかったのですが、雪女スティックと出会ったことで大きな変化が。伏見稲荷大社の長い参道を登ってきた参拝者が涼しげな雪女スティックを購入し、一休みするようになっていったのです。凍った状態ではシャリっと、時間が経つとモチっとした触感が好評で、夏季のピーク時には、1日500本を売り上げるほどの人気商品となりました。
QUESTIONを通じて認知度向上!
齊藤のサポートはまだまだ続きました。さらなる商品の認知度向上のために、共創施設QUESTIONで毎月行われているイベント「つながるピッチ」を案内。同イベントは参加者同士がご事業を広くアピールでき、同業者や他業種の方々ともつながることができるため、それが事業のヒントとなることを期待し別宮さまにご案内。
実際に別宮さまが参加すると、そこで出会ったニュースライターが雪女スティックの開発ストーリーに興味を示し、webニュースに掲載されることに。全国に向けて商品を発信できたことを非常に喜んでいただくことができました。
お客さまの声
王子食品株式会社
別宮 龍太郎さま(左) 井上 忠彦さま(右)
商品を置いてもらうために飛び込み営業をしても代表者にお会いできず、時間がかかってしまうことも少なくないです。
しかし、齊藤さんに「こういう事業者とつながりたい」と相談するとすぐに引き合わせてくれ、非常にスピード感良くお取引のお話ができます。
引き合わせが難しくとも、真摯に向き合いアドバイスをしてくれるので、とっても信頼しています。
大薮茶亭
大薮 直政さま
「雪女スティック」を置くまでは、売れ筋となる商品がなかったのですが、これは秋になっても売れるヒット商品になりました。
この商品の「溶けない」というユニークな特徴が、店舗を出店している伏見稲荷大社の境内を汚す心配がないのでとてもありがたいです。
職員の声
コミュニティ・バンク京信
齊藤 直生
王子食品株式会社さまの初めての自社商品の開発段階から寄り添い続けてきた分、全国に向けて商品を発信できたことが本当に嬉しく、また達成感を感じられた事例となりました。
新たな課題が出てくる度に一緒に悩み、乗り越えていくことでお客様と強い絆が生まれたと感じております。
自社商品第2弾の商品開発や既存事業の分野でも全力でサポートしていきたいと考えております。