おせっかいバンカー

京の老舗の後継者探しに奔走!

90年の歴史を守りたい!アトツギ課題解決に向けたおせっかい

京都市南区、世界文化遺産・東寺の向かい側「東寺道」に入ったところに、「丹波松茸昆布本舗 あめ久」はあります。

同店はその名の通り「あめ屋さん」にルーツを持ち、90年以上にわたり事業を営まれ、塩昆布や佃煮などを販売されているお店です。
創業の地が丹波篠山であることから、丹波産の食材を使用したこだわりの商品を多く取り揃えており、名物は「松茸昆布」。ヒラタケのような代用品を使用せず、本物の松茸にこだわった逸品には多くのファンがいらっしゃいます

多くのファンを持つあめ久さまの商品

そんな同店の店主・野川さまは、ある課題を抱えておられました。それは、事業の後継者が見つかっていないという「アトツギ問題」。
80歳を超えてもエネルギッシュに活躍されている野川さまですが、「この店をこれからも守っていくために、そろそろ後継者を探さなければいけない」という漠然とした想いをお持ちでした。

しかし、日々の店舗運営が多忙でなかなか具体的な行動を起こせずにいたある日、野川さまにある出会いが訪れます。
それが、京都信用金庫 九条支店の営業マン、塚田でした。

「アトツギ探しのお手伝いをさせてください!」

当時、当金庫とあめ久さまとの間にお取引はなく、店主の野川さまも金融機関との取引を増やすことは考えておられませんでしたが、塚田は「何かお役に立てることはないですか」と、たびたび野川さまのもとを訪問。

そしてある日、野川さまが抱えておられた「アトツギ問題」を耳にすることとなります。
それを聞いた塚田は、すぐさま「ぜひお手伝いさせてください!」とお伝えし、解決に向けて動き出しました。

九条支店の塚田(左)と店主の野川さま(右)

塚田はさっそく、事業承継課題解決の専門部署「事業アトツギ支援部」と連携し、さまざまなご提案をしていきました。

まず、事業承継にあたっての課題や、引き継ぐ側にとって重要な事業そのものの強みや課題を整理するために、丁寧なヒアリングを実施。同時に、野川さまがどのような相手方への承継を希望されているかについても、その想いをお聞きしました。

その結果、事業を第三者に譲渡する「M&A」を目指すという方向性が決定。
塚田は次の一手として、事業承継問題の解決をサポートし、M&Aの「売り案件」や「買い案件」の仲介も行っている「京都府事業承継・引継ぎ支援センター」(以下、「引継ぎ支援センター」)の利用を提案しました。

さらに、塚田を中心に、九条支店としても「買い手」候補となりそうな取引先に声掛けを行い、そのうち1社は面談に至ることができました。

数社と面談を行うも・・・。

その後、引継ぎ支援センターや九条支店からの紹介で、数社が野川さまとの面談や現地視察を行われました。
ところが、当時はコロナ禍の真っただ中。交渉は思うように進まず、企業が新たな事業展開に対して慎重にならざるを得ない状況だったことも影響し、M&Aは成約に至りませんでした。譲渡先探しは白紙に戻ってしまったのです。

しかし、諦めかけたそのとき、思わぬところから解決の糸口が見えてきました。
店主・野川さまの奥さまが通われる英会話教室の受講生仲間である岸田さまから、「あめ久を引き継ぎたい」という言葉が出てきたのです。

実は岸田さま、熱心な「あめ久」さまのファン。
以前は「野川さんが事業承継に困られているとは知らなかった」そうですが、野川さまと当金庫がM&Aに向けて奔走している姿を見て、「あめ久の味を後世に残せないなんてもったいない!」という気持ちが強くなってきたそうです。

左より:店主の野川さま・奥さま、後継者の岸田さま・娘さま

その後両者は、引継ぎ支援センターのサポートのもと、契約関係の整理、役所への届出、金融機関の名義変更など、事業の引き継ぎに必要な手続を進められました。そしてついに、2023年6月をもって事業を譲渡することが決定したのでした。

今回は、当金庫からの最終的な事業譲渡先のご紹介には至りませんでしたが、店主の野川さまからは「京信の塚田さんからの提案がなければ今も後継者探しをしていなかったと思う。引継ぎ支援センターを紹介いただけたことも、本当に助かった。」とのお言葉をいただきました。

また、後継者の岸田さまからは、事業の引き継ぎ資金についてご相談をいただいているとともに、「事業を経営するのは初めてのことなので、京信さんにいろいろ教えてもらいたいです。」とのお言葉をいただいています。

当金庫はこれからも、あめ久さまのような事業承継、アトツギ問題にお悩みの事業者さまに寄り添い、課題解決に取り組みます。

 


お客さまの声

丹波松茸昆布本舗 あめ久
二代目店主 野川 眞 さま

先代から引き継いで17年、地元だけでなく、日本中に当店の商品を愛してくれている人がいるなかで、なんとかこのお店を存続させたいと思っていました。

塚田さんは取引もないのに何度もうちに通ってくれて、引継ぎ支援センターを紹介してくれたり、譲渡先候補を見つけてきてくれたりと、色々な提案をしてくれました。

私は元銀行員なので、もっと簡単に事業譲渡をできると思っていましたが、実際には思っていたよりもずっと大変で、引継ぎ支援センターを紹介いただいたことは本当に助かりました

今回の引き継ぎがうまくいったのは塚田さんのおかげですし、彼のことは一生忘れません

これからは色々なところに旅行に行って、第二の人生を楽しみたいと思います。

 

丹波松茸昆布本舗 あめ久
承継者・三代目店主 岸田 美幸さま

以前からあめ久の商品が大好きで、会社勤めの頃から野川さんには色々とご相談させてもらっていたこともあり、事業の引き継ぎを決意しました。

事業を引き継いだ後は、修学旅行生などの若い世代の方にもあめ久の味を楽しんでいただき、ネット通販にも力を入れて、幅広い年代の方に愛されるお店にしていきたいです。

京信さんは色々な取組をされている、斬新な金融機関だという印象があります。
はじめての会社経営でわからないことも多いので、ぜひ色々と相談させてもらいたいと思っています!

 


 

担当者の声

京都信用金庫 九条支店
塚田 京介

何かお役に立てることはないかとあめ久さまを訪問していた際に、「90年の歴史があり、日本中にファンがいるこの味を次の世代にも残し続けたい」という野川さんの熱いお言葉を聞いたことが、今回のご提案のきっかけでした。

結果として無事に事業の譲渡へつなげることができたことを、自分のことのように嬉しく思います。

また今回の経験は「事業を守りたいが引き継ぎ手が見つからない」という現場の生の声を肌で感じることができた機会でもありました。

「アトツギ問題」にお悩みの事業者さまに対し、ひと先でも多く課題解決のご提案ができるよう、お客さまに寄り添った営業活動を続けていきたいと思います。

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