スポーツバイクが

返礼品!

ふるさと納税を活用した本業支援に伴走

京都市左京区岩倉にある、2024年に創業95年を迎えるスポーツサイクルメーカー「VIGORE(ビゴーレ)」。
フレームビルダーである店主 片岡聖登さまが、オーダーメイドで可能な限り、乗り手のリクエストに応えておられ、速さや利便性ばかりを求めるのではなく、移動の時間でさえも愉しみ、土地や地域を深く知ることに繋がる体験を、自転車という道具を通して届けることを目指されています。

VIGOREのこだわり

同社の自転車はフレームの材質にクロームモリブデン鋼を使用し、ペダルを踏んだときに、しなったフレームが元に戻ろうとする力が働くことで、軽快な走りを楽しめるのが特徴です。そんなこだわりのある自転車だけにユーザーが限られ、おのずと売上は安定しなかったものの、「輪行」「ビワイチ」といったサイクリングブームに助けられる一面もありました。
そんな自転車店の売上増加を目指して伴走した北山支店 営業担当の粟津のエピソードをご紹介します。

「山と旅の自転車プラス」にシマノのグラベル(非舗装路面)専用コンポーネントのGRX600をアッセンブルしたモデル

たび重なる自然災害で窮地に

VIGOREの三代目代表である片岡 聖登さまは幼少期から自転車に触れ、80年代にはフレームビルダーとして活動しながら、自らも様々な自転車競技に参加するなど、実践で得たノウハウを同社の製品にフィードバック。無駄を削ぎ落した機能的で美しい自転車は、2009年度 グッドデザイン・中小企業庁長官賞をはじめ多くの賞を受賞し注目を浴びました。

そんな折、二度の台風による水害に見舞われ、加工機械や材料が水没。試作開発やハンドメイド製品の製造ができない状況になり、窮地に陥りました。

窮地を救った家族の絆

しかし数年後、廃業された金属加工業者から工作機械を譲り受け、作業を再開することができました。また、同じ頃、会社勤めをしていた長女の有紀さまが京都に戻り、家業を手伝うことを決意され、聖登さまにとって大きな励みとなりました。

譲り受けた工作機械 デッケルFP1
1930年代にドイツ・デッケル社で作られた万能フライス盤
自転車のフレーム制作技術を伝授する聖登さまと有紀さま

有紀さまは事業に携わる傍ら、ビジネススクールに通い、Webサイトの再構築とプレスリリース配信による集客に取り組みました。最近ではキーワード「#クロモリ自転車 #日本製」で同社のサイトにたどり着き購入に至る若者も多く、成果が表れてきました。

アトツギ甲子園への参加

さらに有紀さまは、目の前のことをだけやっていくだけではなく、将来のことも考えなければと奮起され、中小企業庁主催の「第4回 アトツギ甲子園」にチャレンジ。それを聞いた営業担当の粟津は、会場となるQUESTIONで本番さながらに模擬発表を企画し、発表内容のブラッシュアップをサポート。
それを見ていた聖登さまも初めは戸惑っておられる様子でしたが、一から事業のMission・Vision・Valueを考えるために、有紀さまと向き合って話すことで、会社の目標・向かっていく方向性を共有することができました!

QUESTIONで行った模擬発表の様子
準備を経て、中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」に登壇

ふるさと納税にチャレンジ

さらに粟津は、ふるさと納税の返礼品として同社の自転車を出品することを提案。その採択に向けて奔走しました。採択されると売上に直結するのはもちろんのこと、ふるさと納税ポータルサイトを通じて同社の商品・サービスを全国に販売・PRできます。

しかし、一つ気がかりな点がありました。同社のスポーツバイクの売れ筋は50万円前後。高価なものでは150万円します。ふるさと納税にそんな高額商品の需要はあるのだろうか?

ところが2022年暮れ、3商品が返礼品に採用されるとそんな不安は一蹴されました!京都市の担当者も驚かれるほど次々と申込が入ったのです。その甲斐あって2023年の業績は一気に好転。粟津の提案が同社の業績回復に結実した瞬間でした。

京都市行財政局総務部総務課(ふるさと納税担当) 伊藤 圭之さま

この度はビゴーレ・カタオカさまをご紹介いただきありがとうございました!
ふるさと納税の返礼品としては海産物やお肉が有名ですが、実は趣味の品も隠れた人気商材で、ご提案いただいたVIGOREブランドの自転車は2023年度の実績を見ても多くのご寄付を全国から集め、京都市の財政に大変ご貢献いただきました!


お客さまの声

有限会社ビゴーレ・カタオカ
代表取締役 片岡 聖登さま

京信さんにはピンチの時ほど助けてもらっています。

粟津さんからふるさと納税のお話をいただいた時は、準備も大変だし、正直落選すると思っていました。それが今では車種のバリエーションも増えて、売上に直結してとても助かっています。

有限会社ビゴーレ・カタオカ
企画 片岡 有紀さま

粟津さんはいつも一緒に考えて動いてくれる「VIGOREサポートチーム」の一員。数多くの峠を一緒に乗り越えていただきました。

ビジネススクールで学んだ技能技術継承の研究を活かし、父のノウハウを数値化し、継承していきたいと思っています。


職員の声

コミュニティ・バンク京信
粟津 智仁

片岡さまご一家のVIGOREブランドに対する熱意と事業を良くしたいという想いに心を打たれ、金融面以外でもご支援できないかと行動しました。

ご紹介したふるさと納税では良い成果が出て、とてもうれしく思います。これからもコミュニティ・バンクの役割を果たしてまいります。

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