当金庫では地元5芸術大学との産学連携の一環として、当金庫の営業エリアである京都・大阪・滋賀の名所、祭事、名物などを題材にした卓上カレンダーを2014年から制作しています。
今回は2025年の卓上カレンダー完成までの制作ストーリー、また完成後に開かれた作品原画展についてご紹介します。
京都精華大学さまとのコラボレーション
2025年は、1月から12月の挿絵イラストを京都精華大学マンガ学部マンガ学科キャラクターデザインコースの在学生・卒業生12名の方に制作いただきました。
同校と言えば、日本で初めて、そして唯一マンガ学部を設置している大学であり、京都市と共同で京都国際マンガミュージアムを運営されるなど、マンガ芸術教育におけるパイオニア的存在として知られています。
また、本コースでは、画力に加えてコミュニケーション力やプレゼンテーション力を身につけることも重視し、産学連携も積極的に行っておられます。
たくさんの過程を経て作品制作は進む
作品の制作にあたって、学生の皆さまは京都・大阪・滋賀の名所や祭事に足を運び、現地取材を通じて理解を深め、作品制作への準備を進めてくださいました。
そんな皆さまの想いに応えるため、当金庫の担当職員は京都精華大学や印刷会社と打ち合わせを重ね、学生の皆さまの原画をカレンダーに落とし込んだ際に、忠実に再現できるよう根気強く色彩の調整などを行い、企画から完成まで約9ヵ月のプロジェクトとなりました。
今回の卓上カレンダーの見どころは…
これまでの卓上カレンダーは、日本画や水彩画といった画材を使った作品を中心に挿絵としていましたが、今回初めてコンピューターグラフィックスによるデジタル作品が挿絵となりました。
現実ではとらえることが難しい瞬間や、景観にファンタジーな要素がプラスされたイラスト作品など、マンガ学科ならではの特徴がみられ、個性あふれる卓上カレンダーとなりました!
さらに今回初めての試みとして、使い終わったカレンダーを絵葉書として使える仕様に。
月が替わっても気に入った作品で手紙のやり取りをしたり、フォトフレームに入れて飾ったりして楽しんでいただけます。
作品に込められた想い
2025年の卓上カレンダーのテーマは「彩りちとせ」。作品制作を監修してくださったキャラクターデザインコース教員の小川さまがテーマに込めた想いを綴ってくださいました。
長年、四季折々風光明媚な絵画作品が並ぶ本プロジェクトの系譜を引き継ぎつつ、本年はファンタジックな要素を加え、デジタル作画も織り交ぜることといたしました。タイトルには京都・大阪・滋賀が有する多様な名所、作家が描く多彩な表現・技法を「彩り」に込め、悠久の地であることを可愛らしくひらがな表記で「ちとせ」に込めました。
また、ご縁あって特別ゲストとしてアニメーター・イラストレーターの白身魚(堀口 悠紀子)さんにもご参加いただき、愛らしい表紙をご担当いただきました。美麗な風景、凛と佇む建物、中にはクスッと笑顔になるものなど各月お楽しみいただければ幸いです。
― 京都精華大学マンガ学部キャラクターデザインコース 准教授 小川 剛さま
本店ロビーで原画をお披露目
カレンダーの完成後、当金庫の本店ロビーで原画展を開催。色とりどりの作品が、新しい年を祝うように新春の本店ロビーを彩りました。
この原画展には、学生の皆さまをはじめとする若く才能溢れる方々の作品が、地域の方の目に触れる機会を創出したいという想いを込めて開催しています。
当金庫はこれからも産学連携を通じて地域の活性化に取り組んでまいります。
制作者の声
京都精華大学 マンガ学部 キャラクターデザインコース
学生の皆さま
制作時期の関係で6月の現地に行けず、冬の写真素材と6月の雰囲気を想像して描くことに苦労しましたが、今後の制作にも役立つ良い体験になりました。
/6月「箕面大滝」 4年生 鹿毛田 由貴さま
本来一緒に存在しない「お神輿」と「鉾」の写真を見比べながら制作していきました。イラストだからこその表現を心がけました。
/7月「祇園祭」 4年生 細野 菜々美さま
このような案件をいただくのが初めてで、普段、背景イラストをほとんど描かないので不安でしたが、参考写真を何度も見て、何とか形にすることができました。とてもいい経験になりました。
/2月「道頓堀」 3年生 関本 歩華さま
京都精華大学HPでも同事例について紹介されています。
記事はこちら▶https://www.kyoto-seika.ac.jp/news/2024/1220_1.html