学生の力が

企業の発展につながる

【近畿大学×京信】産学連携で地域産業の復興と発展を目指す

当金庫は2019年6月に近畿大学と産学連携協定を締結し、事業者さまへの産学連携支援を行っています。

この協定は、当金庫のお客さまと近畿大学の学生・教員をつなぎ、大学との共同研究や受託研究を通して、企業が抱える課題の解決に協力することで、地域産業の振興と、地域社会の発展を目指した取組です。

個別相談会で企業のお悩みとじっくり向き合う

この協定の取組の一つに、当金庫と近畿大学の産学連携窓口 近畿大学リエゾンセンターが連携して開催する「近畿大学産学連携協定の個別相談会」があります。

この個別相談会は、各支店の営業担当者が日々のお客さまとのやり取りの中で、お客さまが抱えるお悩みを聞き取り、その課題解決の糸口としてご提案するもので、興味を持たれた事業者さまに個別相談会をご案内しています。

相談会では、リエゾンセンターの職員を中心に、企業の事業内容や課題に合った学部・研究内容に取り組む教員とをマッチングさせるために、企業の事業内容や取り扱う商品、抱えておられる本質的なお悩みをお聞きします。

その後、何度か面談を重ね、リエゾンセンター側で連携できそうな学部の教員をご紹介。そして、学部の先生とともに課題解決に向けたプロジェクトの方向性を決めていきます。

産学連携を始める前に、何度も面談を行うことは、学生との連携プロジェクトを確実に成果につなげるために必要なプロセスとなっています。

「豆腐屋さんの手助けをしたい。」大豆機械メンテナンス業者の想い

実際に近畿大学との共同研究プロジェクトを活用し、学生と一緒に商品開発を行われている事業者さまの事例をご紹介します。

株式会社カワニシさまは豆腐や湯葉など、大豆を加工する会社が取り扱う機械のメンテナンスや原材料の販売を事業とされています。同社の代表取締役 宍戸さまは、豆腐を作る際に出る‟おから”を活用した商品を開発できないかと考えておられました。

日本では、‟おから”は産業廃棄物として処理されることが多く、同社と取引のあるお豆腐屋さんも捨てるものとして取り扱っている現状がありました。さらに、‟おから”を処理する際には廃棄費用がかかり、お豆腐屋さんの負担になっていました。

そこで宍戸さまは、本来捨てる部分である‟おから”を再利用し、新商品を開発・販売することで「豆腐以外のところからもお豆腐屋さんの収益に貢献し、お豆腐屋さんを助けることができるのではないか」と考えました。

代表取締役 宍戸社長

そんな宍戸さまの想いを知った当金庫 久御山支店の当時の営業担当者は「宍戸さまの手助けをしたい!」と考え、近畿大学との共同研究プロジェクトをご案内しました。宍戸さまは案内を受けて、学生ならではの新しいアイデアに期待し、挑戦する気持ちでプロジェクト相談会に参加されました。

プロジェクト相談会にて、宍戸さまは自身の考えと「課題を解決したい」という熱意を、産学連携を仲介するリエゾンセンターの職員に伝えます。そして、食育、色彩心理、フードコーディネート、給食経営管理を専門とする近畿大学農学部 准教授の富田 圭子先生を紹介され、富田先生とその教えを受ける学生たちと共同研究をすることが決まりました。

学生との共同研究

2022年4月、いよいよ共同研究プロジェクトが始まりました。

まずは、宍戸さまから学生たちへ「豆腐業界の現状と課題」「協力してほしいこと」などの説明会を実施。宍戸さまの想いや業界の課題を聞いた学生たちは研究に積極的に取り組み、レシピを考えたり、早速調理をしたりするなど、様々なアプローチ方法で新商品開発のために試行錯誤します。

おからを使った新商品の開発に取り組む近畿大学の学生たち

学生から商品アイデアの発表会!

プロジェクトが開始してから半年後、学生が発案した商品の発表会が行われました。

発表会には、プロジェクトに参加した学生のうち9名が登壇。それぞれが発案した食品の試食と説明資料を用意し、開発した商品の名称や特徴、栄養バランス、パッケージデザインなどを提案しました。

宍戸さまは、学生の本気度に感銘を受け「どのアイデアも素晴らしい。ぜひ商品化したい!」と意気込みました。そして、当金庫が取り組む商品開発講座「ANSWER」にも参加され、学生たちの提案を商品化するために行動されます。

宍戸さまは「ANSWER」で学んだアイデアの出し方や考え方を学生たちにも共有するなど、現在も学生たちとの共同研究プロジェクトは続けておられ、一緒に商品開発を進められています。

すでに発案されたアイデアのブラッシュアップや、食品に限らない‟おから”を使ったアイテムの開発など、同社の挑戦は続きます。

学生たちがまとめた新商品の資料

学生たちが作った新商品の試作品


お客さまの声

株式会社カワニシ
代表取締役 宍戸 伸考さま

この産学連携プロジェクトに参加して、これまで交流することがなかった学生さんたちと出会えたことが本当に良かったと思っています。

共同研究してくれている学生さんは、おからの仕入れ先や運送方法など、予想を超えたところまで考えてきてくれます。中には「カワニシに就職したい」と言ってくれる子もいるので、このプロジェクトをきっかけに中小企業の魅力が伝わっているということを実感しました。

このプロジェクトやANSWERに参加したおかげで、会社や社会の課題としっかり向き合うことができ、何とか実現したいという想いが高まります。さらに学生たちが本気で提案してくれていることにも刺激を受けて、どんどん行動に移すことができています。

京信さんはお金以外のことも親身になって行動してくれるので、「私も京信さんに何かお返しがしたい」と思わされます。これからもよろしくお願いします。

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