京都の伝統的な工芸と産業

モノづくりの現場をもっと身近に

「DESIGN WEEK KYOTO 2023 in 丹波・京都・山城」オープンサイトの開催をサポート!

DESIGN WEEK KYOTO(以下、DWK)は、京都府内の地域の特徴や英知が詰まったモノづくりの現場をオープンにすることで、モノを作る人、使う人、伝える人が集い、業界・業種・年代・国籍など、あらゆる垣根を超えた新しい出会いやインスピレーションから、新たな創造につなげることを目指した交流コミュニティです。

当金庫では初年度より、伝統的な工芸・産業を生業とする事業者や伝統文化を支援するため、プラチナパートナーとして一般社団法人Design Week Kyoto実行委員会とともにDWKの活動を行っています。

DESIGN WEEK KYOTO オープンサイト

年に1度行われる「DESIGN WEEK KYOTO オープンサイト」は、京都のモノづくりの現場が期間限定で一般公開され、工房の様子や職人の技術を学び、知ることができるイベントです。京都の伝統的な工芸・産業の現場を身近に感じてもらおうと2016年より毎年開催されています。

2023年2月に開催された「DESIGN WEEK KYOTO 2023 in 丹波・京都・山城」では、「True Kyoto~京都の源流を知る~」をテーマに、丹波・京都・山城の3つの地域から48の事業者さまが参加し、4日間モノづくりの現場がオープンしました。

DWKオープンサイトの決起会

オープンサイトが始まる前には参加者の決起会が行われ、参加事業者さまに加えて、DWK 代表理事の北林 功さま、DWKのスタッフ、当金庫の理事長 榊田 隆之、当金庫DWKプロジェクトメンバーが集結。オープンサイトでチャレンジしようとしていることや抱えておられる課題、今後の目標など、事業者さま同士の交流が行われ、斬新なアイデアや集客の工夫を共有し、お互いを高め合う機会となりました。

また、当金庫の職員にとっても事業者さまの想いをダイレクトに聞くことができる貴重な機会となり、職員も積極的に事業者さまとの交流を図りました。

決起会での事業者さま同士の交流の様子

DWKオープンサイトの現場

イベント当日、工房・工場が一斉に開放され、普段は見ることのできない技術や作業を見学することができました。また、見学にとどまらず、会場によっては現場の技術や仕事を体験できる「ワークショップ体験」や歴史や技術の説明を受けながら見学できる「社内ツアー」など、各社が用意した企画に参加することで現場を知ることもできました。

龍岸寺で開催 仏具職人グループ佛佛部さま

オープンサイトに参加した佛佛部さまは、仏具文化を継承する京都の仏具職人が中心となり、仏像や仏具を愛するサポートメンバーとともに活動している仏具職人グループです。普段は、楽しく仏具文化に触れてもらうためのプロダクトの開発やイベントの開催、念持仏づくり体験教室などを展開し、仏教や仏具の素晴らしさや本質を伝え、仏具文化と人々をつなぐ取組を行われておられます。

佛佛部さまのオープンサイトは、塩小路通にある浄土宗三哲山 龍岸寺で行われました。佛佛部のメンバーのひとりである 龍岸寺住職の池口 龍法さまが、龍岸寺をオープンサイトの会場として、佛佛部所属の仏具職人に提供。会場では仏師、塗師、箔押師、おりん職人、錺金具職人、お墓デザイナーの6人の仏具職人と池口さま、そしてサポートメンバーによって仏具の知識や技術が来場者に紹介されました。

来場者の中には、予約して来られた方や観光で通った際に偶然見つけて来場された方もおられました。京都観光の一環として来場された方からは「とても勉強になり、京都に来た甲斐があります。他の工房にも、ぜひ行きたいです!」というお声をいただきました。

制作の作業工程を紹介
龍岸寺の仏像・仏具をもとに、来場者に技術を解説している様子
仏具制作に使われている道具の展示

インフォメーションセンター「Umekoji MArKEt」

当金庫の共創施設「QUESTION梅小路」を含む「Umekouji MArKEt」では、DWKのオフィシャルイベント会場のひとつとして様々なプログラムを開催。

DWKに参加した事業者のパンフレットや商品をご覧いただける「紹介ブースの展示」や訪問した工房でもらった革や木材の端材に『DESIGN KYOTO』の焼印を押して、京都のモノづくりに触れた想い出としても残せる「焼印体験」、オープンサイトの現場と参加者をオンラインでつなぐ「オンライン訪問 パブリックビューイング」など多数の企画が開催されました。

参加事業者さまの紹介ブース
端材を活かした焼印体験

事業者さまの声
仏具職人グループ佛佛部
伝統工芸士 京仏具 木製仏具部門(漆塗)
塗師 伊東 泰範さま

京仏具といえば、木製の仏像を形作ったり、金箔を貼って金色に輝かせるなどの工程がありますが、金箔をきれいに貼る前には下地に漆を塗る作業が必ずあります。塗師は仏具の縁の下の力持ちとして見えない部分の作業を担っています。出来上がりの仏具からは技術が見えない分、世間での塗師の知名度は低く、塗師のような職業があることはあまり知られていません。
DESIGN WEEK KYOTOのような工房公開イベントは、多くの人に知られていない技術や一面を知ってもらえるとても良い機会だと思います。私たちのようなあまり知られていない技術の職人にとっては、とてもありがたい機会です。

プロジェクト担当者の声
企業成長推進部 沼田 智哉

DWKのプロジェクトに参加し、多くの事業者さまと関わる中で、DWKに参画されている事業者さまは自社の技術に誇りを持ち、伝統を継承しながらも、常に変化する必要性を感じておられることがわかりました。
絶えず事業を発展させていくためには、多角的な視点によりイノベーションを起こしていく「場」が必要で、そこにDWKの意義があると思っています。もっと当たり前に、事業者同士が交流できる環境を作り、強固なネットワークを構築することができれば、高い技術力と歴史を持つ京都の企業は、今以上に存在感を発揮することができると確信しています。
今後、DWKをより多くのお客さまに知ってもらえるよう活動するとともに、より魅力的なコンテンツになるよう努めて参りたいと思います。

プロジェクト方式の事業支援 その他の事例 PROJECTO METHOD