コミュニティ・バンク京信×京都北都信用金庫

食の商談会で生まれたマッチング

京都市内と京都府北部のうれしいマッチング

「FOOD COLLABO LABO」は、コミュニティ・バンク京信と京都北都信用金庫さまがコラボレーションして開催する食の商談会。地域をこえたマッチングを生み出すことでビジネスをサポートし、新たなイノベーションで地域を盛り上げることを目的に開催しています。

この商談会は、京都北都信用金庫のお取引先である京都府北部の生産者(農業、水産業、畜産業、一次加工品製造業など)と、当金庫お取引先である京都市内を中心とした事業者(小売店、飲食店、宿泊施設など)が一堂に会するもので、ここからたくさんの新たな出会いが創出されています。

今回は、2023年7月に開催されたFOOD COLLABO LABO 2023 in KYOTOで生まれたビジネスマッチングの事例をご紹介します。


歴史ある洋食店

祇園四条駅からほど近い場所にある「欧風料理 開陽亭」さまは、1915年(大正5年)に創業した、100年以上の歴史をもつ洋食店です。同店は海老フライやカツレツなどをお箸で食べられるよう一口サイズにし、それを弁当箱に詰めた「洋食弁当」を日本で初めてつくるなど、国内の洋食文化に大きな影響を与えられました。

現在は四代目である別所 正之さまが店を切り盛りし、大正ロマンの精神と現在の感性を融合させ、洗練された味とくつろぎを楽しむことができるお店づくりに取り組んでおられます。

同店は「お客さまを大切にする」ことを一番に考えておられ、接客面などのホスピタリティはもちろん、手頃な値段で本格洋食を楽しめることなどで多くのお客さまから支持を得ています。なかには親子四代にも渡ってご来店されるお客さまもおられるほど、長く愛されている洋食店です。

厨房に立つ四代目・別所 正之さま
長年引き継がれてきたドゥミグラスソースのハンバーグ

営業担当者からの提案

別所さまは、当金庫本店の営業担当である大角に「良いものや良いアイデアはどんどん取り入れていきたいので、情報があれば提供してもらいたい」と常々話しておられました。
大角はこれまでも別所さまのお役に立ちそうな情報があれば、訪問時やメールなどで都度情報共有・案内をしていました。

そんなあるとき、別所さまが新たな事業として洋食のレトルト食品販売を計画されていることや、メニューや価格について苦心しながら検討されていることを知り、「この商談会で新たな商品・素材と出会うことが突破口になるのではないか」と考え、FOOD COLLABO LABOへの参加を提案しました。

良きパートナーとの出会い

FOOD COLLABO LABO当日、別所さまが商談されたのは、京都府北部・宮津市で水産卸売を行う「株式会社 山一水産」さま。
同社は、産地である宮津から鮮魚や魚介類を購入できる通販サイト「uroco」を運営するほか、新浜地区に残る長屋を改修した海鮮丼や煮魚、刺身の定食などを楽しめる飲食店「海味鮮やま鮮」を運営されています。さらに、地元住民なども利用しやすい鮮魚・魚介類の直売所「urocobase」も運営するなど、幅広く事業を展開。そしてこれらの取組を通じて地産地消の大切さを発信しつつ、持続可能な漁業を目指しておられます。

そんな山一水産さまの強みは、魚の鮮度を保つ急速冷凍技術。この技術によって鮮度の良い魚を安定した価格で提供することができるため、多くの飲食店からの信頼を得ておられます。

商談会当日、同社の冷凍技術に感心した開陽亭の別所さまはさっそく商談を申し出ると、山一水産さまの強みと開陽亭さまのニーズが合致し、見事商談が成立しました。

冷凍技術でロス減&料理もさらにおいしく

開陽亭さまと山一水産さまの商談が成立後、実際に魚を仕入れると、別所さまはその冷凍技術に非常に感動されました。

通常、冷凍された魚を解凍処理すると、身の繊維が壊れ、解凍時に出るドリップ(水気)を魚の身が吸うことで見た目や触感に影響が出てしまいます。
一方、山一水産さまの急速冷凍技術はそれが起こりづらく、品質を保ったまま長期保存をすることが可能でした。

別所さまは、同社との取引を開始する以前は、漁獲量が読めない時期は仕入れに影響が出たり、食品ロスが出てしまうこともありました。

しかし、山一水産さまとの取引でこのような課題が解決し、別所さまは「大量に仕入れると安くしてもらえるうえに日持ちもする」「その日揚がった良い魚があればLINEで連絡をくれるので本当に助かっています」と話され、良い出会いを提供してもらったと喜ばれました。

また、別所さまは同商談会で京都府北部の米屋、八百屋、ジビエを扱う事業者などとも商談を行い、今後の取引に向けて動かれています。

当金庫はこれからも、京都府北部の生産者さまと京都市内の飲食店さまの地域をこえたマッチングなどを通じて、さらなるイノベーションを創出してまいります!


お客さまの声

株式会社 開陽亭
代表取締役社長 別所 正之さま

大角さんの事業へのサポートは素晴らしいの一言です。

弊社の状況を常に気にかけてくれ、いつも良いタイミングで商談会のお誘いをしてくれたり、声をかけてくれたりするので相談もしやすいです。

また、補助金のことも色々と教えてくれるので非常に助かっています。
大角さんになら気軽に質問でき、パッと教えてくれるので大変感謝しています。


職員の声

コミュニティ・バンク京信
大角 健次

開陽亭さまは創業100年を越え、別所さまは「長くお店をやっているとどうしても敷居が高くなってしまいがちになるが、そんな敷居を取り払えるような接客と店づくりを心掛け、多くの方々に長く愛される洋食屋を息子と続けていきたい」と考えておられます。

ひたむきに事業に取り組まれている社長のお話を聞いていると、純粋に応援をしたいという気持ちになります。

会長・社長・息子さまの3世代で仲良くお店を切り盛りされており、そんな賑やかなお店が今後もずっと地域にあってほしいと思います。

事業への伴走支援 その他の事例 PROJECTO METHOD