伝統 × イノベーション

ゴールを見据えた商品開発プロジェクト

「Sumu Craft Lab KYOTO 2026」で伝統工芸を未来につなぐ

「京都」のイメージを尋ねられれば、「伝統文化の街」と答える方も多いのではないでしょうか。
そのイメージ通り、京都は業歴100年を超える老舗企業が全国最多(※1)とされており、過去から脈々と受け継がれてきた技術や産業が息づく街です。

しかし一方で、2025年の調査によれば、京都は「倒産発生率」が全国ワーストの水準(※2)にあり、企業をいかに存続させていくかについて、地域をあげて考えていかなければならない状況にあります。

今回は、そんな京都の伝統工芸や産業を未来につなぐためのプログラム「Sumu Craft Lab KYOTO 2026」についてご紹介します。


「Sumu Craft Lab KYOTO 2026」とは

このプログラムは2025年8月、当金庫の共創施設「QUESTION」を舞台に、Sumu株式会社、ADDReC株式会社、株式会社SECAI、そして当金庫の共同プロジェクトとしてスタートしました。

その目的は、2026年2月にオープンした東京都台東区の「Sumu Ueno East」を皮切りとして、複数拠点を展開していくアパートメントホテルブランド「Sumu」の客室・共有スペースで使用するプロダクトを開発・実装すること。

「京都の伝統工芸技術を、現代のホテル体験へ」をテーマに、京都の伝統工芸や産業を支える企業が生み出すプロダクトを東京へ、そして世界へ接続します。

Sumuとは
Sumuは、「新しい旅のカタチを実験するホテル」をコンセプトに、宿泊体験を超えた価値を提供するアパートメントホテルブランド。
観光と暮らしの境界を問い直しながら、企業・自治体・クリエイターとともに新しい可能性を共創するオープンイノベーションプラットフォームとしての役割も担っています。
▶Sumuの公式Webサイト

問いを探求する商品開発プログラム

実はこのプログラムは当初「QUESTION QUEST HOTEL ver.」という名前でスタートしていました。
その名には、問い(QUESTION)を持つ事業者と、ものづくりに関わるプレイヤーが集結し、新しい価値を探求(QUEST)するという想いが込められています。

そんなコンセプトに対して、「何かを変えなければならない」と潜在的な意識をお持ちの事業者の皆さまからの関心は高く、オリエンテーション(説明会)には65社の事業者が集まりました。

その後、書類選考・面談を経て8つの事業者が採択され、プログラムが本格始動。
約半年(選定までに3か月/プロダクト開発に3か月)にわたってSumuへの実装を前提としたプロダクト開発に取り組んでいきました。

本プログラムの特徴は、採択されたからといって即、ホテルへの納品が決まるわけではないということです。

「受け身ではなく、自分たちの技術をどう宿泊空間に落とし込めるか」。この問いを探求するため、ときには当金庫の営業担当者も一緒に頭を悩ませ、プロダクト開発が進んでいきました。

■参加事業者(敬称略)
・大東寝具工業 株式会社
・錺金具竹内(株式会社 竹内)
・中梅織物 株式会社
・チームここきよ(合同会社COCOO & 株式会社 佐藤喜代松商店)
・株式会社 金箔押山村
・石彰 石川石材
・株式会社 清原織物
・合同会社 たてつなぎ


東京、そして世界へ

2026年4月17日、SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)で、本プログラムの成果発表会が開催され、約半年間にわたるプログラムを経て開発された各プロダクトが紹介されました。

また同日は「京都と東京、ローカルとグローバルをつなぐプロジェクトデザイン」をテーマとしたトークセッションと、参加事業者とのマッチング商談会を実施。

翌日には、採択事業者のひとつである錺金具竹内(株式会社竹内)を講師に迎えた錺金具(かざりかなぐ)づくり体験ワークショップも、Sumu Ueno Eastで開催しました。

▶参加企業のプロダクト紹介はこちら(SumuのWebサイトにリンクします)

■発表会のプログラム
① Sumuプロジェクト紹介
② 京都工芸アクセラレーションプログラム紹介
③ トークセッション:「京都と東京、ローカルとグローバルをつなぐプロジェクトデザイン」
<登壇者>
・Sumu株式会社/ADDReC株式会社 代表取締役CEO 兼 Sumuプロデューサー 福島 大我 氏
・コミュニティ・バンク京信(京都信用金庫) 早川 兼人
・SECAI Inc. 取締役副社長 三村 友基 氏
・sow株式会社/静寂株式会社 代表 兼 Sumuディレクター 小西 裕佳子 氏
・(ゲストスピーカー) Whatever Co. Producer / CEO 富永 勇亮 氏
④マッチング商談会

「伝統工芸や産業を多角的に支えるのが、信用金庫の本来の姿」と語る、当金庫の早川(左から2番目)
伝統と革新が融合したプロダクトの数々に熱を帯びる商談会

プロジェクトのこれから

今回の発表会を一つの通過点として、今後は本プログラムで開発されたプロダクトをSumuへ導入していくフェーズに入ります。

そして、Sumuが拠点数を増やすにつれて、プロダクトが世界の人々の目に触れる機会が増え、事業者の売上拡大にもつながる可能性があります。

「問い」を解決する共創施設「QUESTION」から始まった本プログラム。

「伝統工芸が今後も発展していくために必要なことは?」

「まだ知られていない京都の魅力を、もっと世界に届けるには?」

「伝統を現代のライフスタイルに接続する方法とは?」

伝統工芸や地域の産業を取り巻く「問い」が尽きることはありません。

私たちコミュニティ・バンク京信はこれからも、商品開発や販路拡大をはじめ、多様な支援メニューを通じて、地域の事業者の皆さまのビジネスをサポートしていきます。


主催・共催者の声

Sumu株式会社/ADDReC株式会社 福島 大我

Sumuがこのアクセラレーションプログラムに取り組む背景には、ホテルという場を単なる宿泊施設にとどめず、地域のものづくりと、ホテルを訪れる人をつなぐプラットフォームにしたいという思いがあります。
京都の伝統工芸は世界に誇れる価値を持ちながら、それを届ける回路がまだ十分ではありません。Sumuという実験の場を通じて、その回路を京信の早川さん・SECAIの三村さんとともにつくっていけることを、心強く感じています。

SECAI Inc. 三村 友基

京都に移住して10年、工芸事業者の皆さんと向き合ってきて感じるのは、商品の良さと、それを伝える力の間にあるギャップです。良いものを作ることと、それを必要な人に届けることは、別のスキルが必要です。日本には"いい商品をつくれば売れるはず"という考え方が根強いのですが、まだ知られていない優れたプロダクトはまだまだ眠っていると思っています。SECAIは、京信さんと連携し、工芸事業者と市場をつなぐ橋渡し役として、京都とSumuをともに盛り上げていきたいと考えています。

コミュニティ・バンク京信 早川兼人

工芸事業者の皆さんは、ものづくりに対しては非常に長けていらっしゃいますが、それをどう提案していくかには慣れていない方も少なくありません。
今回、各プロダクトを魅力的な提案としてまとめ上げるところまで一緒に取り組ませていただいたことに、大きな意義を感じています。引き続きSumuを通して伝統工芸の魅力を世界へ発信しながら、金融の枠を超え、地域活性化の新しい形を模索していきます。

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