京都信用金庫では、地域の企業と企業をつなげ、新たな販路開拓や価値の創造を目指す取組「ビジネスマッチング」を積極的に行っています。今回は、そんなビジネスマッチングにより、これまで全く接点のなかった京都の企業と大阪の企業が結び付いた事例をご紹介します。
京都・山科 FUKUDAさまの強み
株式会社FUKUDAさまは、京都市山科区で自動車用エンジンオイルの販売事業を営まれています。
FUKUDAさまの強みは、エンジンオイルの販売から保管・運搬・廃棄までをトータルでサポートできること。
その背景には、独自に開発した、エンジンオイルの残量を遠隔で把握できる「センサー」がありました。これを納品先のオイルタンクに設置することで、最適なタイミングで補充・交換の提案ができ、「オイルがなくなったから急いで来てほしい」といった急な依頼も激減しました。
大阪・吹田 ユーミックスさまの課題
一方、株式会社ユーミックスさまの事業は、イベント会場や建設現場で使用される仮設トイレ・仮設ハウス・仮設資材のレンタルで、本社は大阪府の吹田市です。
ユーミックスさまには、長年解決できずにいたある課題がありました。それは、「仮設トイレの汲み取り作業」。
どのタイミングで汲み取りを行えばよいかはレンタル先(現場)のスタッフが目視でチェックしなければならず、取引先からは、この作業が負担となっているという声が多くあがっていました。また、チェック漏れなどによる「いまにも溢れそうだからすぐに来てほしい」といったような依頼も日常的にありました。
ユーミックスさまが取り扱われる仮設設備の一例
京信職員が接点となってマッチング
そんなユーミックスさまの課題を聞いて閃いたのが、吹田支店長も歴任していた、京都信用金庫・企業成長推進部の平野。
平野はこの課題を聞いてすぐに、以前山科支店に所属していた頃に担当していたFUKUDAさまとの引き合わせを提案しました。両社は、「急に呼ばれて駆けつけなければならない」という共通の課題をお持ちだと考えたからです。
後日、FUKUDAの福田社長とユーミックスの滝社長の面談をセッティングしたところ、平野の勘は的中し、両社の社長はすぐさま意気投合。
「仮設トイレの残量がセンサーで感知できれば、目視チェックが不要になり、急な依頼も減るのでは」という仮説のもと、専用のセンサー開発がスタートしました。
その後、両社は何度も打ち合わせと試作を重ね、2022年秋、ついにセンサーが完成。
2023年のはじめには稼働ができる見込みとなりました。
今回のマッチングでFUKUDAさまは、「仮設トイレ」というこれまで考えもしなかった市場への展開が実現しました。また、ユーミックスさまにとっても、長年頭を悩ませていた課題を解決することができました。
京都と大阪の、普段の事業活動の中では出会うことのなかった二社が、京都信用金庫を接点としてマッチングした今回の事例。
京都信用金庫ではこれからもこのような事例を多く生み出し、地域企業の皆さまのビジネスをサポートしていきます。
お客さまの声
株式会社FUKUDA
代表取締役 福田 喜之 さま
仮設トイレにセンサーを使用するというアイデアは、私では全く思いつきませんでした。よいマッチングをしていただき嬉しく思っています。
今回の出会いによって、仮設トイレ専用のセンサーという新商品を開発することができました。この開発には、京信さんにご案内いただいた事業再構築補助金も活用することができ、色々な方面でサポートしていただきました。
お客さまの声
株式会社ユーミックス
代表取締役社長 滝 謙一 さま
レンタル業界はコロナ禍でイベント減少などによる大きな影響を受け、価格競争も激しくなっています。
そんな中で、お客さまに対して「汲み取りのチェックをしなくてよい」というメリットを提供できるようになったのは、とても大きなことです。平野さんのサポートがなければ今回の出会いもなかったので、平野さん、京信さんとお付き合いしてきてよかったと思いました。