「クラウドファンディングを通して、高台寺をもっと知って欲しい」

秀吉・ねねの愛した小方丈の再建プロジェクト

高台寺に関わる皆の想いを未来へつなぐ

没後400年遠忌事業のはじまり

当金庫祇園支店の近く、東山の麓に高台寺があります。高台寺は豊臣秀吉公の正室である ねねさま が秀吉公のご冥福を祈るために建立されました。

「ねねさんのお寺」として多くの人に愛されてきた高台寺ですが、幾たびかの火災に見舞われ、仏殿や方丈の消失というつらく悲しい歴史がありました。

2024年にねねさまの没後400年を迎えるにあたり、遠忌事業の一つとして江戸時代に消失した小方丈の再建計画が20年前から進行していました。

しかし、ようやく計画を実行に移そうとしたタイミングで、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し、経済活動や社会情勢に大きな影響を与えました。小方丈の再建計画も例外ではなく、大きな影響を受けたのです。

資金計画を練るなかで浮き彫りとなった別の問題点

そうした中、祇園支店の営業担当の宮本は高台寺の和尚さん方に再建計画について困っていることはないかおたずねしたところ、拝観収入だけで再建費用を工面する予定だったことや、コロナ禍による拝観者の減少で、高台寺の減収という課題に直面していることをお話いただきました。また、建築資材の価格高騰のあおりを受け、多額の工事費用が必要となるなど資金計画に大変苦慮されているということでした。

その姿を目の当たりにした宮本は、何とかお役に立てないかという想いで知恵を絞りました。

当金庫としては、単なる金融支援だけでなく本業支援も検討。その中で見えてきたのがこの事業に対する外部への広報活動が足りていないこと、山内で若手和尚の存在感が発揮できていないという状況でした。

クラウドファンディングをきっかけに若手和尚が活躍!

そんなあるとき、他の拝観寺院では、維持管理が拝観料だけでは賄えなくなり、クラウドファンディングにより支援金を募る事例があったことを知った宮本は、和尚方にクラウドファンディングの組成を提案しました。

しかし、高台寺には檀家が無く、これまで寄付を募ったこともありませんでした。この事業の中心となる若手和尚方は「クラウドファンディングと聴くと、ベテランの執事の方々に寄付と勘違いされて執事会で承認が得られないのではないか」と難色を示されました。

ですが、宮本は高台寺に関わる皆さまの想いを実現するためには、ここで動くことが大事だと考え、若手和尚方を説得し、一致団結して執事会に向けたミーティングを重ねました。

▲現在再建中の小方丈。画像は完成予想図

和尚方と宮本は、「このプロジェクトは単なる資金調達の手段ではなく、幅広い世代の方に新たに高台寺を知ってもらうための広報ツールとしての要素が強い」と丁寧に説明したところ、執事会でも納得され、クラウドファンディングに取り組むことができ、このプロジェクトを通して、若手和尚方の存在感を示しました。

地に足のついた目標金額の設定。SNS発信で相乗効果!

修学旅行生や観光客を始め国内外多くの方に、やさしさとユーモア溢れるねねさまを世間にもっと知ってもらい、高台寺を護りつないでいきたいという想いで、若手和尚方が中心となりクラウドファンディングへの挑戦が始まりました。

最終的に目標金額の300万円を大きく上回る486万円が集まり、プロジェクトは成立。クラウドファンディング開始後も定期的にSNSでの発信を続けられ、最終的に多くの方からの共感を得られることに繋がりました。


お客さまの声

高台寺
執事長 奥村 紹仲さま

2024年は、ねねさまの没後400年に当たり、遠忌事業の一つとして小方丈再建を計画していました。

高台寺は他に先駆けて夜間拝観に取り組んで成功した実績があり、クラウドファンディングのような新しいことに取り組むことについては執事会でもスムーズに承諾となりました。小方丈が完成した暁には大勢の方々に参って欲しいです。

高台寺
執事 青山 公胤さま(左)
執事 水谷 宜行さま(右)

クラウドファンディングの承認をもらう執事会で「やってみろ!」と背中を押されました。

宮本さんと一緒に準備を頑張った甲斐がありました。ただ単にお金を集めるというより、ねねさまと高台寺を広く知ってもらう広報の一環だと思いチャレンジしました。

これを機会にSNSで楽しく高台寺を発信させていただいております。


職員の声

コミュニティ・バンク京信
宮本 寛之

今回のプロジェクトを通じて、地域の方はもとより、全国各地から多くの方にご賛同いただき、高台寺さま(ねねさま)が慕われていることを再認識しました。

若手和尚方が苦戦しながらもクラウドファンディングに懸命に取り組まれる姿に心を打たれました。

これからも事業者に寄り添い、喜んでいただけるよう本業支援に力を入れてまいります!

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