健康志向が高まる近年、小麦を含む食品を摂取しない食事「グルテンフリー」が世界中で注目され、「米粉」への関心が高まっています。そんな"米粉"を通じて、地域の交流を促進するイベント「オーガニック&米粉ナーレ」を当金庫の共創施設QUESTIONで開催しました。
はじまりは、八尾支店と八尾市役所
2022年9月、近鉄八尾駅前にオープンした京都信用金庫八尾支店。同支店の支店長である林は、日々の業務活動の中で感じる八尾市の魅力を京都・滋賀地域の人にも知ってもらいたいと常々考えていました。
ある日、林は八尾市役所へ出向き、八尾市役所 八尾市魅力創造部の田中さまと出会いました。田中さまは過去に当金庫に出向されていた経験があったことから、金庫の地域活性化に関する取組を良く知っておられ、林の想いにも共感していただくことができました。
八尾市には米の製粉機メーカーや製粉会社、米粉を使用したスイーツ店やパン屋さんなどが多いという特徴がありました。しかし、米粉を扱う事業者が多いにも関わらず、八尾市の米粉産業の認知度の向上には、まだまだ課題がありました。
そんな八尾市の米粉産業の現状を打破し、「『米粉の聖地』八尾市の魅力をもっと広めたい」という二人の想いが重なったことから、米粉の魅力発信プロジェクトが始動しました。
米粉を扱う事業者さまの「想い」を知りたい
林と田中さまは、米粉を取り扱う事業者の生の声を聞くために、和菓子の原材料・製造卸業者として、長年、米粉を扱っている株式会社 圖司穀粉さまに会いに行きました。同社は米粉自体の認知度がまだまだ低いことを課題に感じておられ、もっと米粉の使い方や認知度を向上させたいと思っておられました。
その想いを聞いた林は「QUESTIONを活用することで、多くの人に米粉を知ってもらえることができるのでは?」と考え、QUESTIONでのイベント開催を提案。
そして、林の提案をきっかけに米粉の発信と米に関わる事業者同士の交流ができるイベントの計画が始まりました。
米粉の魅力発信のための協力者探し
イベントの実施に向けて、二人はイベント開催のノウハウを持つ事業者をプロジェクトメンバーに、参画してほしいと考え、それぞれが持つネットワークからお声をかけることにしました。
まず二人は、有機農業とオーガニック食材の発信をめざし、普段からイベントやマルシェの企画・運営を実施されている合同会社ノコノコ(空庭)の中川さまとQUESTIONにアプローチしました。
ノコノコさまはお米の新たな使い方を模索する活動されていたこともあり、米粉発信イベントに賛同し、ご協力いただけることになりました。さらに、京都で「オーガニック食材」を広げるイベントの開催を計画されていた中川さまは、米粉だけではなく日本でも定着しつつある「オーガニック」と掛け合わせたイベントをすることを提案。
そして、QUESTIONの紹介で、地域の生産者・八百屋・企業を巻き込みながらオーガニック農業全般の課題解決に向けた取り組みを行う京都オーガニックアクション(KOA)さまにもご協力いただき、オーガニックと米粉を広めるイベント「オーガニック&米粉ナーレ」を開催することが決まりました。
米粉に関わる多くの事業者さまに来てほしい!
林は「オーガニック&米粉ナーレ」の開催が決まると、米粉の魅力を発信することはもちろん、お米に関わる様々な事業者さまが集まり、事業者同士の交流が発展する機会にしたいとも考えていました。
そのために、当金庫の社内ネットワーク「ビジネスマッチング掲示板」を活用して、他支店でお取引のある米粉関連事業者や米粉に関心のある方々の紹介・参加を呼びかけたり、米粉を取り扱う事業者さまに営業担当を通じて個別にお声がけしたりと様々なアプローチを通して参加者を募りました。
その結果、大阪、京都、滋賀から20店舗以上の米粉スイーツ&パン屋さん、製粉機・製粉事業者、農家の方が集まり、イベントに参加していただけることになりました。
「オーガニック&米粉ナーレ」開催!
2023年2月「オーガニック&米粉ナーレ」は、ノコノコさまを主催として、当金庫 八尾支店、KOAさま、八尾市役所が共催。QUESTION 1階のチャレンジスペース、7階のクリエイティブコモンズ、8階のDAIDOKOROの機能をフル活用して、マルシェやトークショー、ワークショップ、カフェなど、たくさんの企画を実施しました。
当日、会場には米粉に携わる農家、製粉機メーカー、製粉所、料理人、パンや麺・スイーツなどを作る事業者、また家族連れや友達同士で気軽に遊びに来られた方など、多くの方々が集まり大盛り上がり!
来場者の中には小麦粉アレルギーをお持ちの方もおられ、「米粉の食品やレシピを知れたことで食への楽しみが増えた」と喜ばれている様子も見られました。
また、この「オーガニック&米粉ナーレ」は、米粉の可能性を追い求める事業者さま同士の交流やビジネスマッチングの場にもなり、販路拡大や新たな商品のアイデアなど、「オーガニック」と「米粉」への理解と可能性を広げるきっかけになりました。
米粉ワークショップの料理教室
オーガニック&米粉セミナー
参加事業者さまの声
米粉マルシェ製造所
木村 知子さま
米粉のお菓子を製造・販売するなかで、市場の反応が掴めず悩んでいたとき、京信さんからイベントの案内を受け参加しました。
米粉に関心が合って集まる大勢の人を目の当たりにし、自分の事業に自信を持つことができました。
販路に関しては、これまでは自分一人で探していましたが、京信さんやこのイベントで出会った事業者さまの力をお借りすることで、これまでの個人のお客さまに加え、飲食店にもお届けできるようになり、心強くなりました。
八尾市役所
田中 崇二さま
京信さんといえば「本業支援・マッチング」だと思っており、やはりこの熱いイメージは変わらず、今回も実りの多いイベントになりました。
米粉ナーレは「食材・商品をもっと広めたい」という想いや、探求心を持つ方々が集まり、イノベーションが生まれるところがポイントです。実際に多種多様なマッチングが実現でき、参加者の皆さまからも「この日をきっかけに、繋がりました!」といったお声があり、大変嬉しく思いました。
今後も京信さんと連携しながら、一緒に地域を盛り上げていきたいと思います。
職員の声
京都信用金庫 八尾支店
支店長 林 卓司
売り手・買い手だけに留まらない繋がりが生み出せるイベントになるように、米粉に関わる様々な業種の事業者さまにお声がけしていたことで、関東からお越しの方もいらっしゃるほど、多くの方に参加していただくことができました。
これまでの営業活動の中でお会いしてきた多くの米粉に携わる事業者さまをアピールできたこと、また同じ想いを持った皆さまと出会えたことを嬉しく思います。
今後も八尾と京都・滋賀を結ぶ懸け橋となっていきたいです。