頑張る地域の

アトツギを応援!

アトツギ同士のつながりが生まれる「京信アトツギゼミ」

アトツギのための"学びとつながりの場"

当金庫は、これまで事業を支えてきた代表者、そしてその事業を引き継ぐ後継者ご家族従業員といった関係者の方等、事業承継にかかわる方の「想い」を大切にしたアトツギ支援(事業承継のサポート)を行っています。

「京信アトツギゼミ」はその取組の一環として、アトツギが経営者として成長するための"学びの場"、そしてアトツギ同士での悩みの共有を行う"つながりの場"として開催している講座です。

過去の受講者からは、「会社の未来を考える時間が増えた」「悩んでいるのは自分一人ではないことがわかり勇気づけられた」といったお声をいただきました。

今年の受講生は第4期生。23名のアトツギの方にご参加いただいています。

この記事では、そんな「京信アトツギゼミ」の第4期の中で、初めて卒業生とともにグループディスカッションを行った第6講の様子をご紹介します。

【第4期(2025年度のプログラム

第1講 「アトツギに向けた京都信用金庫の想い」
第2講 「企業経営の基本的な姿勢とは」
第3講 「勝ち残るビジネスモデル構築と競争優位を生み出す法則」
第4講 「未来をデザインする①~マーケティングと5年後のビジョン~」
第5講 「未来をデザインする②~顧客が求めるサービスと戦略考察~」
第6講 「後継者が手掛けた事業再生とビジネスモデルの構築」
第7講 「決算書を理解し、儲ける数字力を身につける」
第8講 「後継者の組織作りと経営者としての成長」
第9講 「経営計画発表会(プレゼンテーション/フィードバック)」

アトツギ同士でディスカッション

今回は、1~4期生の交流を深めてもらいたいという目的で、卒業生の方々とともにグループディスカッションを行いました。

前半では、主に中小企業に対して事業承継等の経営支援サービスをされているインクグロウ株式会社 代表取締役社長 鈴木さまをお招きし、ディスカッション形式の講義を行いました。
ゲストスピーカーである株式会社アックスヤマザキ 代表取締役 山﨑さまを題材としたシチュエーションで、『市場が衰退している中でミシン製造業を継ぎ、再建するためには何ができるか』といったグループディスカッションを行い、解決策を議論していただきました。

参加者は全員アトツギということもあり、自身の知識や経験をもとに「商品を売るだけだとお客さまとの接点がなくなってしまうので、ミシンの修理事業を開始してはどうか?」「ミシンを作る技術を活かして、ミシン以外のものを作れないか」といった柔軟な発想から様々なアイデアが飛び交いました。

中にはニッチな市場へ焦点をあて、「コスプレイヤーとのコラボ商品を作る」といったアイデアも生まれ、議論は盛り上がりました。

【講師】インクグロウ株式会社
代表取締役社長 鈴木智博 さま
ディスカッションの様子

家業を立て直した実例を聞く

後半では、先ほどのグループディスカッションで取り上げた、大阪で老舗ミシンメーカーを営む株式会社アックスヤマザキの山﨑さまご本人に、「当時、どのようにアトツギとして家業を継承し、事業を再生したか」といったお話をしていただきました。

「ほしいと思ってもらえるミシンを作りたい」という熱い想いから、「なぜミシンに苦手意識があるのだろう」と考え、子ども向けの毛糸ミシンを作るために、子どもたちの生の声を聴きミシンを体験してもらう場を設けて、実際に製品開発・販売までに至った過去を語られました。

その他にも、先代であるお父さまとのやりとりや、新たな経営目標を定めて社員で共有し、新体制での結束力を高めたお話も語られ、アトツギとしての苦労を伝えつつ、それを踏まえてアトツギの方へエールを送られました。

"後を継ぐ"ということは業種や周囲の環境により"明確な正解"はありませんが、アトツギの事例の一つとして、皆さまは真剣な表情で聞き入っていました。

また質疑応答の時間では、「昔から家業を継いでほしいと先代に言われていましたか?」「社員との対話の仕方について教えてください。」「失敗や挫折はしなかったですか?」といった、アトツギだからこそ抱える疑問にお答えいただきました。

質問をする参加者の様子
【ゲストスピーカー】株式会社アックスヤマザキ
代表取締役 山﨑一史 さま

アトツギ同士の絆が深まる

講義の終了後には、当金庫の食堂にて懇親会を開催。会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれ、参加者同士で名刺交換を行う等、新たな交流が生まれていました。

次期経営者としてのプレッシャーや責任を感じながらも、自分の悩みや弱みを打ち明けられる存在が少ない場合もあり「孤独」とも表現されることも多いアトツギですが、今回の講義を経て、アトツギ同士の絆が強まったのではないでしょうか。

当金庫はこれからも、地域企業のアトツギ支援に取り組んでまいります!


お客さまの声

京信アトツギゼミ 1期生

株式会社 ヤスダモデル
代表取締役
安田 一真さま

アトツギゼミに参加したのは、代表取締役としての仕事を継いだばかりの頃で、今振り返ると、「どうしたら会社をもっと良くできるか」よりも「どうしたら会社をつぶさないか」という目線で考えてしまっていました。当時アトツギゼミに参加したことで、以前よりも代表取締役としての自信がついたと思います。

以前から同業種のアトツギとの交流はありましたが、他業種のアトツギと出会ったのは「京信アトツギゼミ」がきっかけです。
他業種のアトツギと話をして、「他の業種でも、同じ悩みがあるんだ」「アトツギってどこも同じことに苦労しているんだ」と少し安心した気持ちを覚えています。

アトツギゼミで得たご縁は、今でも大切にしております。私はアトツギとして「自分の気付き」を大切にしているので、今後のアトツギゼミでも後継者が何かに気付くことができる機会を提供していただきたいなと思います。


京信アトツギゼミ 2期生

株式会社 樋口電子
専務取締役
樋口 真士さま

アトツギゼミに参加する前は、同じ境遇の方と話すことの大切さをまったく理解していませんでした。
「自分が一番行動している」「誰にも負けない」と思い込む、少し恥ずかしい自分がいたように思います。

しかし、アトツギゼミに参加してみると、私以上に苦労されながらも事業を成長させている方や、明確なビジョンを持って行動している方等、多くの刺激的な仲間に出会うことができました。

アトツギの皆さんとの対話からは数えきれないほどの学びがあり、同時に「自分ももっと頑張ろう」と背中を押してもらうことができました。

今では、まるで新しい扉が開かれたように、自分自身を客観的に見つめ、次のステージに向かって歩む感覚を得ています。


職員の声

コミュニティ・バンク京信
事業アトツギ支援部
中西 慧

アトツギの皆さまの知見を広げて実践力を身につける本ゼミは、今回で4期目を迎えました。真剣にもがいている同じアトツギの仲間と出会える貴重な機会であり、受講生は80名超となっています。

歴史ある事業を承継することは簡単ではありません。 準備を早いうちから始め、アトツギの皆さまが自信をもって事業展開ができるように、コミュニティ・バンク京信が全力でサポートしていきます。

事業への伴走支援 その他の事例 PROJECTO METHOD