よそ行きから日常着へ

着物文化を身近に感じてもらいたい

京都きもの学院京都本校さま×QUESTION 「ひな祭りイベント」を開催

3月3日のひな祭りの日、若い世代をはじめとするたくさんの人に「日本の伝統文化のひとつである着物文化を発信したい」「着物のハードルを下げ、もっと和装を身近に感じてほしい」という想いから、当金庫が運営する共創施設QUESTIONでひな祭りイベントを開催しました。

今回のイベントでは、QUESTION4階のコミュニティステップスをひな壇に見立て、イベントに参加した大学生や当金庫の職員が着物を着て大きなひな人形に扮しました。当日の着物の貸出しや着付けは、京都きもの学院京都本校さまにご協力をいただきました。また、NPO法人衣紋道 雅ゆき 理事長の峰村 有紀さまに講師としてご登壇いただき、十二単の着付けの実演をしながら着物文化の知識や歴史をご教示いただきました。

同校は全国で初めて着物の着付教室をスタートさせ、自分で着付けができるようになる「入門コース」から、着付け師を育成する「プロコース」まで、ニーズに合わせた教室を開講。また近年では、教室へ通う時間がない方や海外の方も学べる環境を提供するために、通信教育やオンラインでの講習も開講されています。習えること・習える場所・習い方など、受講者の選択肢の幅を増やし、色んな立場の方が着付けを学べるように工夫されています。

NPO法人衣紋道 雅ゆき 理事長の峰村 有紀さま
十二単の着付けの実演と講義の様子

「着物文化を守りたい」京都きもの学院京都本校さまの想い

着物は古くからの日本の伝統的な民族衣装であり、現代では宮司や僧侶などの神職が着たり、一般的にお祭り、結婚式、卒業式、成人式などのお祝い事や特別な日に着られています。かつてはそのようなの職業の方やお祝い事に限らず、普段着用の簡易な着物が日常着として使用されていたり、花嫁修業の一環としてお茶やお花のお稽古と並び、着付けを習うなど、日本人にとって着物は身近な存在でした。しかし、今では日常生活で普段着として着物を着る人は大幅に減少し、自分で着付けをできる人も減っています。

同校は、民族衣装である着物を自分で着れない日本人が増えていることを危惧し、若い世代を始めとした多くの方に着付けができるようになってほしいという想いを持っておられます。また、着付けの技術と併せて、着物文化の知識・歴史・作法を伝承することで、着物文化や着物の価値を後世に残していきたいと考えておられます。

少しでも多くの人に着物文化を伝えるために、日ごろからインスタグラムやFacebook、Youtubeの配信など、SNSを駆使した情報発信を行い、イベントの開催やセミナーの実施、着付けの体験など積極的な活動をされています。しかし、同校だけで情報発信をするのには限界があり「なかなか若者に関心をもってもらえない」「自分の着付けができるようになる初心者コースの生徒さんが増えない」と悩んでおられ、方法を模索されていました。

QUESTIONとのコラボレーション

そのような同校の想いを聞いた三条支店営業担当者の北中は、「QUESTIONを活用して何かイベントを行うことで、若い世代に興味を持ってもらうきっかけを作れないか」と考え、同校の課題解決に協力しようと行動します。

そこでQUESTIONが定期的に実施している内覧会に参加し、QUESTION5階にある学生と社会人の交流をサポートする「Students Lab(スチューデンツラボ)」を運営している認定NPO法人グローカル人材開発センターの代表 行元さまに相談。行元さまは「学生の中には、日本文化や服飾に興味のある学生がいる。着付けではなく、着物の歴史や成り立ち、着物種類や意味合いなどに関するイベントを学生向けに行うことで、それぞれの分野に関心がある学生に興味を持ってもらえるのでは」と学生や若い世代をターゲットにしたイベントを提案します。

さらに、QUESTIONの館長 森下からも「3月3日のひな祭りに合わせて何かイベントをしたいと考えている」と話を聞き、北中からその考えを同校学院長の小野 寛江さまにお伝えしたことで、本イベントの開催が決まります。

当日、会場には着物文化に興味がある職員や大学生が集まり、着物を着る体験と着付けの実演、講義に参加しました。参加した大学生からは「着物は少し重いですが、いつもと違う服装に新鮮な気持ちです。」「十二単の一枚一枚に込められた意味や平安時代の生活を知ることができました。貴重な体験になりました。」といったお声をいただきました。

講師の方々に着付けをしてもらっている様子
参加職員と大学生
十二単の着付けが完成した様子

会場の様子はQUESTIONの外からも見え、立ち止まって写真を撮ったり、外からイベントの様子をご覧になる方、気になって会場に足を運ぶ方もいらっしゃいました。

外から見た会場の様子

事業者さまの声
京都きもの学院京都本校 学院長
小野 寛江さま

QUESTIONに一度伺った際、階段状の施設がとても魅力的だと感じていました。ここで何かできたらいいねと話していたときに北中さんから丁度今回のお話をいただき、このイベントをきっかけに若い方々にも着物文化が広まっていくと良いと考え、ご協力させていただきました。着物文化に興味をもってもらったり、着付けを習いに来てもらうには、まず私たちが何をやっているのかを伝える必要があると思っています。私たちもインスタグラムやFacebookを通して情報発信を行っていますが、私たちの繋がりだけでは発信力が小さく、限られた繋がりの中でしか情報を届けられません。なのでQUESTIONや京信さんを通して私たちの取組が伝えられると、私たちとは違うコミュニティに届けることができるのではという期待を込めて参加しました。
実際、イベントの準備などは大変でしたが、着物姿はとても絵になり、QUESTIONの外からでも目立って多くの人に見てもらうことができました。「何してるんやろ?」と関心を持ってもらえることが大切なので、それができて良かったなと思います。

担当者の声
三条支店 北中 万依

イベントでは実際に三人官女の着物を着させていただき、ひな祭りと十二単の歴史や込められた意味、平安時代の生活など様々な事をご教示くださいました。
ご協力いただいた学院長の小野さま、理事長の峰村さまを始め、京都きもの学院京都本校の先生方は着物文化や歴史についても知識豊富でいらっしゃいます。その背景には、「着付けを習うだけでなく着物という文化や歴史を知ってほしい」という学院の先生方の想いがあり、今回のイベントに参加させていただいたことでその想いを直接感じることができました。今後も営業担当者として、その想いに全力で伴走してまいります。

当金庫は伝統文化の保護・伝承のお手伝い、コミュニティの枠を超えて交流できる機会の提供に積極的に協力、支援してまいります。

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