販路を見据えて

売上・利益にコミットメント!

商品開発講座「ANSWER」

おせっかいバンカーの事業支援は次のステップへ

京都信用金庫は「おせっかいバンカー」として、事業を営むお客さまのお悩みや課題の解決に向けて、「お金の融通」に留まらない事業支援を行っています。

私たちはその中で、「社会が刻一刻と変化していくなか、事業の新たな展開を見出したいが、方向性を定められない」「新商品開発へのアプローチの仕方がわからない」といった課題を多くお聞きしていました。

そんな地域企業の皆さまの課題に「答え」を導き出すべくスタートしたのが、商品開発講座「ANSWER」です。

「ANSWER」とは

ANSWERは、自社ブランドの立ち上げや新商品を開発したいとお考えのモノづくり企業のための商品開発講座。
一般的な事業支援では間接的な効果として期待されていた「売上・利益の創出」というゴールに対し、より直接的にアプローチすることを目指した企画です。

また、企業の経営者や従業員などの参加者の皆さまと一緒に、当金庫の営業担当者も講座に参加するというのも、大きな特徴の一つです。
これにより、営業担当者が取引先企業に対する理解をより深め、従業員の一員になったような気持ちでその企業の売上拡大にコミットメントすることや、講座で培ったノウハウを別の取引先への支援に役立てることを目指します。

第1期「ANSWER」(2022年4月~11月)

第1期ANSWERでは、企業のwebデザインやプロモーション、商品開発や新規事業に対するアドバイスなどを手掛ける有限会社セメントプロデュースデザイン(以下「CPD」)さまを講師にお招きしました。参加企業は、食品、服飾、伝統工芸品などを手掛ける8社です。

参加者は数々のヒット商品を生み出してきたCPDの指導のもと、徹底した自社の現状分析や他社分析を行いながら、商品の企画やコンセプト作成に取り組みました。そして、販売戦略・チャネルの策定なども行い、開発から販売までを一気通貫で学んでいきました。

また、参加者は別の参加者のプレゼンテーションを聞き、ときには店舗・事業所を訪問することで、お互いへの理解を深めていきました。これは、自社を客観的に見つめ直し、一つの業界にとどまっていては得られない視点を得る上で、非常に大切なプロセスです。

(写真:企業訪問時の様子)

このようなプロセスを経ることで、次第にこれまで認識していなかった自社の強みが見えてきたり、意識したことのなかった市場への展開がイメージできるようになったりと、参加者にも変化が起こり始めます。

そして約8か月にわたる講座を終えたときには、新規事業の立ち上げを実現した企業や、自社の強みを再認識したことでブランディング戦略が策定できた企業など、様々な成果が上がりました。

また、一緒に参加した当金庫職員にとっても、取引先企業についてより深く知ることができるとともに、経営者の視点から売上・利益の創出に向けたプロセスを学ぶことができる、貴重な機会となりました。


参加企業の声

今回、そんな参加企業の中から、株式会社 金箔押山村の統括マネージャー・中澤未来さまにお話をうかがいました。
同社は昭和24年に創業され、京仏具や京仏壇の金箔押業を営まれています。また、全国各地の神社仏閣及び文化財の修復なども手掛けられる、伝統ある企業です。

株式会社 金箔押山村
統括マネージャー 中澤 未来さま

近年の生活様式の変化により、請負仕事である仏具への箔押し業だけでは先細りになると感じ、これまで革小物に金箔を施した商品や、デザイナーとコラボしたアクセサリーなどを開発してきました。
しかし外注費や在庫数など課題が多く、自社完結できる商品を開発したいと考えていました。そんなとき、この講座を知り、参加を決意しました。

京信の営業担当の山本さんは全8回の講座だけでなく、合間に工場にも出向き、弊社の課題を深く理解してくれ、お金のこと以外にこんなことまでサポートしてくれるのかと驚きました。

講座では、自社や競合他社の分析、コンセプト設計等を、専門的なアドバイスをいただきながら行いました。産学連携で京都精華大学の学生さんも参加し、新商品のアイデア出しやパッケージデザインをサポートしてくれました。学生さんがデザインしてくれたパッケージがとても素敵なんです。講師の金谷さんや学生さん、山本さんのおかげで「一人ではない」という安心感がありました。

(写真左側:営業担当者の山本)

受講を重ね、形を問わず何にでも金箔を押せる職人技の強みを再認識した私たちは、仏具からステーショナリーに市場を展開しました。
また、新商品として、葉に金箔を施した栞(しおり)「GOLD LEAF」を開発し、自社の技術力を表現したいという想いと、課題であったコスト軽減の二つを実現することができました。
今年の1月には、パリで開催された世界のモノづくり企業が参加する「Maison&Objet PARIS 2022」に出展し、想像以上に反響をいただき自信にもなりました。
ANSWERに参加したことで自社だけでは導くことができなかった答えにたどり着くことができ、参加してよかったと思っています。

(写真:新商品の「GOLD LEAF」)

▼金箔押山村さま 公式webサイト
http://yamamura-goldleaf.com/


企画者の声

京都信用金庫 寝屋川支店
早川 兼人

日々の営業活動の中で「取引先企業の売上に役立っているのだろうか」という問いが自分の中にありました。そこで、商品開発をして売るまでのノウハウが事業者と京信にとっても必要だと思い、当金庫の人材育成の取組のひとつ「青年重役会」で本講座を提案、実施に至りました。新規事業の立ち上げや、現状打破を目指す事業者様に是非ご参加いただきたいです。
一緒に新規事業、新商品を作りましょう!!

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