誰でも気軽に始められる

環境に優しい取り組み

京都信用金庫は「ソーシャル企業認証制度 S認証」の取得サポートや、使用済み衣服を回収して再活用するプロジェクト「RELEASE⇔CATCH」の取組などを通じ、地域社会におけるソーシャルマインドの醸成および循環型社会の形成を目指しています。

今回は、そのような取組の一つである「コンポスト」の活用を通じて、ごみを資源に変える循環の輪を広げたエピソードを3つ、ご紹介します。

コンポストってなに?

コンポストとは、「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のことです。

コンポストは微生物の働きを利用して、家庭から出る生ごみなどの有機物を発酵・分解させ堆肥を作ることができるのものであり、「ごみの削減」「CO₂排出量の削減」といった環境に優しい効果が見込めます。
最近では、誰でも気軽に始められる環境活動として、一般家庭でも取り入れられています。

LFCコンポスト

当金庫のコンポストを用いた活動

当金庫では、繰り返し使用が可能で、虫を防ぐ効果もあるファスナー付きバッグ「LFCコンポスト」を使用し、コンポストを用いた活動に取り組んでいます。

1.本店ビルの取組

当金庫本店ビルでは、コンポストの取組を推進していくために「本店コンポストプロジェクト」を発足しました。
このプロジェクトではコンポストを使って、食堂で排出された野菜くずなどを堆肥にし、ごみ排出量の削減による脱炭素化や、フードロスなど社会課題の解決につなげています。
こうして作られた堆肥を、社内ベンチャー事業である「まちのべんり屋」が整備した屋上緑化スペース内の菜園・庭園で利用するこのプロジェクトは、当金庫が行う循環型社会の形成に向けた取組の一つです。

生ごみを混ぜる職員
本店ビルの屋上緑化スペース

2.西大路支店の取組

西大路支店では、2022年からコンポストを用いた堆肥作りを始めました。
ただ堆肥を作るだけでなく、「コンポストによる循環の輪を少しでも多く地域の方に広めたい」という想いから、堆肥を有効活用するためのさまざまな取組に挑戦しています。

①コンポストの堆肥で野菜作り

西大路支店は、コンポストで作った堆肥の有効的な活用方法を考える中で、駐車場の一角にある植栽スペースを畑にして野菜を育てることに挑戦しました。
野菜を育てるための堆肥を作るには、より多くの生ごみが必要となることから、京都中央卸売市場で事業を営むお取引先さまに、定期的に生ごみをご提供いただくことをご依頼。その結果、「こんな良い取組をされているんですね!」と賛同いただき、コンポストを用いた循環の輪に加わってもらうことができました。
そして、西大路支店は職員全員で土を耕して、サツマイモの苗を植えた結果、たくさんのサツマイモが収穫できました!

サツマイモを収穫した西大路支店の職員たち

収穫したサツマイモの行方は

最初の野菜にサツマイモを選んだのには理由があります。それは、収穫したサツマイモを、七条商店街の地域活性化イベント「えんま堂まつり」で「SDGsフライドポテト」としてふるまうためです。
お祭り当日、西大路支店は代金をいただく代わりに、コンポストの取組や循環社会について話を聞いてくださった方々に、このフライドポテトを提供。その結果、お子さまもコンポストの話に耳を傾けてくださり、多くの方にコンポストを知っていただくことができました。

➁学生のSDGs教育の一環として

そんな西大路支店に、驚きの連絡がありました。
それは、長野県の中高生の皆さまが「修学旅行のプログラムで、『SDGsに取り組む事業先ツアー』として西大路支店を訪問したい」というオファーでした。

学生の皆さまは、西大路支店が制作した動画でコンポストの仕組みや資源の循環を学び、その後、生ごみを混ぜる作業を体験。それらを通して、地域金融機関がSDGsに取り組んでいること、地域と深く関わっていることを知っていただく機会となりました。

生ごみを混ぜる学生

③新入職員にチューリップをプレゼント!

西大路支店の取組はサツマイモだけに留まりません。支店の職員たちはこのコンポストを使って、春になると「あっ!」と驚く仕掛けを作りたいと考えます。
それは、入社式で新しく当金庫の仲間になる新入職員に、コンポストで育てたチューリップをサプライズでプレゼントするということ。
早速、職員全員で土を耕し、球根を500個植えました。
毎日交代で土を手入れし、水やりをした西大路支店の職員たち。愛情を込めて育てた結果、500本のチューリップすべてが綺麗に咲きました!
入社式当日、西大路支店の職員によって一つひとつ心を込めてラッピングされたチューリップは、当金庫理事長 榊田より、新入職員44名に手渡されました。

新入職員にチューリップをプレゼント

チューリップの咲いた畑を見て

このチューリップを見て驚いたのは、新入職員だけではありません。
西大路支店に来店されたお客さまたちも、畑に咲いた多くのチューリップを見て「あっ!」とびっくり!
お客さまから、「綺麗に咲いているチューリップを見て、元気が出たわ。」「チューリップのおかげで地域が明るくなったね。」などのお言葉をたくさんいただきました。
この「あっ!」と驚く仕掛けのおかげで、地域にも笑顔が咲きました。

西大路支店で咲いたチューリップ
チューリップと西大路支店の女性職員

3.北山科支店の取組

北山科支店では、フードロス削減の取組を通して地域の活性化を図るプロジェクト、「ロスゼロプロジェクト」を立ち上げました。

このプロジェクトでは、地元農家で採れた規格外の野菜を使用した「子ども食堂」などの開催を計画していましたが、実現することはできませんでした。突如、流行した新型コロナウイルスの影響により、開催の中止を余儀なくされたのです。

振り出しに戻ったプロジェクトの内容を一から検討していくなかで、北山科支店 支店長 神村はコンポストに着目。生ごみから堆肥を作る循環サイクルに魅力を感じた神村は、プロジェクトとしてコンポストを地域の方々に広めていくことを決意しました。

共感の輪を広げる

北山科支店ではコンポストを地域の方々に広めていくことで、環境問題などに関心を持つきっかけや気軽にできるSDGsの取組となるよう、循環の輪だけではなく「共感の輪」も広げています。

①コンポストユーザーと農家を繋げる

コンポストアドバイザーをお呼びし、コンポストユーザーと地域で農家を営む方々で「ロスゼロミーティング・コンポスト回収イベントの会」を開催。
コンポストの説明や質疑応答を実施し、コンポストに対する理解や知識を深める場としました。

今後は、コンポストユーザーの方が作った堆肥を農家の方々が畑で使用し、収穫した野菜を地域の方々に食べていただくという「循環の輪」を広げていくことを目標としています。

イベントの様子

②地域の事業者さまにコンポストを案内

北山科支店の取組は、それだけではありません。より多くの事業者さまにコンポストの魅力を知っていただくために、北山科支店は地域の事業者さまを訪ね、コンポストを案内しました。その甲斐あって、多くの事業者さまがコンポストに興味を持つ結果に!

北山科支店より紹介を受け、コンポストに取り組み始めた永興藤尾こども園さま。
同園の先生は、「コンポストでの堆肥作りを体験した子どもたちが、少しずつ環境や食べ残しを意識するようになった」と、喜ばれていました。また、同園のお祭りでは、プログラムの一つとしてコンポストを使ったガーデニング遊びを実施。保護者の方にもコンポストを知っていただくきっかけとなり、循環の輪が広がりました。

また、大洋エレックス株式会社さまも、北山科支店よりコンポストの紹介を受けた会社の一つです。
同社では、コンポストを通して職員全員で植物を育てることにより、社内コミュニケーションがより豊かになりました。

コンポストを使ったガーデニング遊びの様子

ごみを資源に変える環境活動に、誰もが気軽に取り組むことができるコンポスト。
当金庫は今後も、コンポストを通じて環境課題に対する意識の醸成を行うとともに、この循環の輪を広げていく取り組みに注力してまいります!


お客さまの声

永興藤尾こども園 
伊藤 恵子先生

北山科支店さんにコンポストをご紹介いただき、子どもたちの学びに役立てれるのではと思い、始めました。子どもたちに土遊び感覚でコンポストを体験してもらい、給食で食べている野菜や果物ができあがる過程や、料理の過程で残ったヘタなどの生ごみが、肥料としてまた循環させることができることを、目で見て触れて知ってもらえました。食べ物への感謝の気持ちを育むことができ、子どもたちも興味津々でした。

園内の庭にはコンポストの堆肥でできたお花が鮮やかに咲いていて、保護者の方々からもコンポストを始めたとのお声がありました。

今後も楽しみながら環境にいい取組を、京信さんと一緒に広げていきたいと思います。

お客さまの声

大洋エレックス 株式会社
代表取締役 川端 章仁さま

従業員や私の食事から出た生ごみで肥料を作っており、栄養のある良質な土と、水と、おひさまの光でとてもきれいな花が咲きました。一緒に植物を育て、成長を見守ることでコミュニケーションの活性化も図れました。

京信さんから教えていただき、こんなものがあったんだ!おもしろいな、と思いましたし、金融機関がこんな取組をされているのもおもしろいですね。

今後もSDGsを取り入れて色々とチャレンジしていこうと思います。


職員の声

京都信用金庫 北山科支店
神村 泰史

地域金融機関として一人ひとりが循環の担い手となることを願って、地域にコンポストをご紹介しています。「環境活動を始めたいけど何から挑戦すれば良いか分からなかった。コンポストなら挑戦しやすい!」とのお声が多く、楽しんで取り組んでいただいています。料理で出た生ごみを有効活用される主婦の方や、園芸をされる方、SDGsの取組を考えておられる事業者さまなど、老若男女問わず親しんでいただけます。

この取組を通して共感者が集うことで、人が集まり交流が生まれ、地域活性化へと繋がることを期待し、これからも地域に共感の輪を広げていきたいと思います。

京都信用金庫 審査管理部
松本 裕志

本店コンポストプロジェクトは、10人のメンバーが交替でコンポストの担当をしています。
メンバーからは「思っていたよりも、簡単だった。」「実際にコンポストをして、生ごみを堆肥に変える楽しさを実感できた。」という感想があり、中には自宅でコンポストを始めたという職員もいます。

生ごみを混ぜていると、普段の勤務中ではなかなか話すことのできない他部署の方から「コンポスト見せて!」と声を掛けてもらえることがあり、職員間のコミュニケーションのきっかけにもなっていると実感します。

これからは、堆肥から育った野菜を食べてまた自然に還す、という食の循環を感じられるイベントを企画し、地域に発信していきたいです。

京都信用金庫 西大路支店
河内 美波

地域の方を巻き込んで取り組めるエコな活動であり、また、職員の人数が多い西大路支店で、職員全員のコミュニケーションに繋がるのでは?と思い、コンポスト活動を始めました。

実際にコンポストに取り組んでみて、「コンポストバッグはどこで買えるの?」「家庭でも始めてみようかな。」と興味をお持ちいただく方が多くおられました。修学旅行のプログラムで来てくださった学生さまたちは、金融機関がこのような取組をしていることに大変驚かれていましたし、「学校の授業でも使おうか。」といった声もありました。
このような声を多くいただき、少しずつでもコンポストが普及している実感がわきました。

今後もコンポストを通じて地域の方に、循環社会の形成、エコでソーシャルな取組を伝えていきたいと思います。

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